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北海道建設新聞社
2011/08/04

【北海道】札幌市役所本庁舎を耐震診断へ−震度7直下型想定し 

 札幌市総務局は、市役所本庁舎を耐震診断する。札幌をマグニチュード7・5、震度7の直下型大地震が襲う可能性を示した第3次地震被害想定を基礎として、災害対策本部が設置される本庁舎が、そもそも地震に耐えられるのかを判定する。東日本大震災を踏まえ、従前から予定していた診断を前倒しして年内にも着手し、2012年3月までには結論を得たい考え。
 市役所本庁舎は札幌の中心部、中央区北1条西2丁目に位置し、RC造、地下2地上19階で軒高は78m、延べ4万2216m²。工事費約40億円を投じ1971年に建設され、間もなく竣工から40年が経過することから、東日本大震災以降、同局へは耐震性に関する問い合わせが相次いでいる。
 97年には第2次地震被害想定を踏まえ、同庁舎を設計した三菱地所設計で建設後初めての耐震診断を実施。当別断層を震源としたマグニチュード6・5、震度6弱、本庁舎付近の揺れの加速度を大きめの400ガルと仮定し、コンピューターを用いてモデル診断したところ、基準の範囲内であることを確認している。
 今回は、前回使用した振動解析モデルを流用し、市役所本庁舎の構造体の耐震性を算出する計画。設定する揺れの大きさは2000年改定の建築基準法の超高層建築物等設計用地震動を採用する。また、市の第3次地震被害想定に新たに盛り込まれた、伏在活断層(月寒断層、西札幌断層)を震源とする震度7の地震動でも検証する。
 60mを超える高層建物の耐震診断はIs値を指標とする診断方法を用いないため、同解析モデルにより層間変形角(揺れによる水平方向へのひずみ)や最大塑性率(加わる力により建物がどの程度損傷するか)などを算出し、基準の範囲内であるかを確認。同時に本庁舎のコンクリート劣化診断も検討している。
 さらに同局では、調査結果が妥当かどうかのクロスチェックを、診断を委託した業者以外に発注することも考えているほか、耐震安全性が一定レベルを下回る可能性があると判断された場合は、解析モデルの作り直しも含めた詳細診断も実施する構えだ。