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建設経済新聞社
2011/08/11

【京都】“新映画村”で太秦活性化 東映が30億円投入 府も支援 一大メディア産業拠点に

 京都府、東映梶A西日本旅客鉄道梶iJR西日本)の3者は、京都太秦メディアパーク構想の進展に関する共同記者会見を開催。府の支援を受け、東映が映画村(京都市右京区)を全面的にリニューアル、9月に第1弾施設がオープンする。JR太秦駅(同)も今後リニューアルに着手、映画の街の玄関口としてふさわしい外観に改装する。
 山田啓二京都府知事、岡田裕介東映椛纒\取締役社長、二階堂暢俊JR西日本執行役員近畿統括本部京都支社長の3者が9日、府公館で共同記者会見を行った。
 山田知事は「映画村のリニューアル、JR太秦駅整備で飛躍的な進歩を遂げる。府は1億5000万円から2億円程度の助成を行う。府独自の特区制度を設け、京都から映画コンテンツ産業を世界に発信していきたい」と期待の言葉を語った。
 東映の岡田社長は「30億円を投じてニーズに合った新しい映画村をつくっていきたい」「撮影所の中も見てもらえるよう道路を作った。これで太秦駅に圧倒的に近くなる。新しい建物も建設した。東京の撮影所はデジタル化したが、京都の撮影所はアナログで、人のふれあいのテーマパークにしたい」と決意を語った。また岡田社長は映画村について、「現在の年間入場者70万人を100万人にしたい」「食堂、駐車場も充実させた。入場者の滞留時間も伸ばしたい」「ファミリー層とともに、中国・韓国を含め外国人観光客も取り込みたい。ハウステンボスでは“ワンピース”で集客している。新しいコンテンツで勝負したい」と抱負を述べた。
 JR西日本の二階堂京都支社長は「観光振興で協力したい。映画村への新たなルートができ、映画村が近くなり、太秦駅が玄関口となる。映画の街にふさわしい駅にしたい」「自動改札通路を新設し、ホームの安全対策も進めたい。今の駅はバリアフリー化されていないため、国・府・市と協力しエレベーターが設置できるようにしたい」と考えを示した。
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 府は「みやこづくり地域戦略」の一環で、人材育成や国際交流、観光振興、企業集積などの多様な機能を併せ持つ一大メディア産業拠点の形成を太秦地域で目指す「京都太秦メディアパーク構想」を進めており、人材育成や撮影誘致などでも支援する。京都映画等産業集積地域(太秦映画・映像特区)を創設し、企業集積を促進する考え。
 東映は、東映京都撮影所と東映太秦撮影所をリニューアルする。1975年(昭和50年)以来の最大規模のリニューアルで2ヵ年かけて実施する。右京区太秦西蜂岡町9−1の再開発地区の表示によると、敷地4万4423・62uを対象に、11棟(S造2階建等。合計建築面積1万9818・31u、合計延2万6722・14u)を整備。完了時期は平成26年3月31日まで。設計・施工は東映建工(東京都中央区・03−5614−2315)。
 記者発表で示された東映の京都太秦地区再開発計画によると、「圧倒的に近く 予想外の新しさ より面白く参加型」をキャッチコピーに掲げた。
 アクセスの向上のため、京都撮影所正門隣に映画村新ゲート(撮影所口)を新設し、太秦駅から徒歩13分を5分に短縮。撮影所の雰囲気を感じながら映画村に入場してもらえるよう演出する。
 9月15日オープンで、体験型アトラクション「からくり忍者屋敷」、東映アニメの歴史やアニメが完成するまでを体験できる「アニメミュージアム」、浮世絵を紹介する「浮世絵美術館」を新設する。
 パディオス1階にイベントスペースを設け、デジタルサイネージ(電子看板)を設置。時代劇扮装の館、スタジオ・マーケット(お土産広場)のリニューアルも行った。駐車場も増設した。東映京都撮影所もリニューアル。プロダクションルームや美術作業棟、美術倉庫を新設。お化け屋敷は2012年(平成24年)3月に新築移転を予定、リニューアル第2弾とする。
 東映による京都太秦地区再開発計画の主な施設は、▽撮影所口=S造▽入場券販売所=S造2階建、延182・08u▽ウェルカムゲート=S造平屋建、141・38u▽プロダクションルーム=S造2階建、延657・02u▽美術倉庫・展示ブース=S造2階建、延803・69u▽美術作業棟=S造2階建、延809・24u▽からくり忍者屋敷=S造平屋建、506・08u▽お化け屋敷=S造平屋建、505・20u▽庭園広場=889・29u▽手裏剣道場=S造平屋建、111・77u▽物販店舗=S造平屋建、84・30u▽化粧室=S造平屋建、51・74u▽東屋=W造、4・00u▽新設駐車場=44台、1255・00u▽パディオス棟(改修)=S造3階建▽スタジオマーケット棟(改修)=S造平屋建▽浮世絵美術館=S造平屋建▽アニメミュージアム・寺子屋=S造2階建−等。