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建通新聞社(静岡)
2011/09/07

【静岡】静岡県 伊豆地域の道路整備の在り方で有識者による検討開始

 厳しい財政状況の中、遅れている伊豆地域の道路網の整備をどう進めるべきか―。静岡県が設置した「伊豆地域の道路整備のあり方検討会」(委員長・兵藤哲朗東京海洋大学工学部教授)の初会合が2日、三島市内で開かれ、伊豆地域の今後の道路整備の手法や財源確保策などの検討が始まった。道路整備の現状など県側の説明を受けた委員から「必要性が高い路線には、短期間に集中的な投資ができる有料道路事業を活用してはどうか」「地域の交流や防災面を考慮し、伊豆縦貫道路を柱とした南北軸だけでなく、これに接続する東西軸(肋骨=ろっこつ)の道路整備を考慮すべき」といった意見・提案があった。検討会は今後、地元有識者との意見交換や論点整理を行って2012年3月ごろ「道路整備のあり方(案)」を提示。地元有識者や県民の意見を反映した上で、6月ごろ最終案を取りまとめる予定。
 冒頭、県交通基盤部の森山誠二部長が「伊豆地域の南北道路の整備は遅れており、早期整備を求める声が多い。しかし、道路予算が大幅に減少し、そうした声に応えられない」と道路事業の現状を説明。「厳しい財政状況の中でどのような工夫ができるのか、既存の道路や有料道路などを活用できるのか、知恵を貸してほしい」と述べた。
 検討会ではまず、伊豆地域の道路の現状を県側が説明。半島全体が急峻(きゅうしゅん)な地形で大雨などの際に通行が規制される災害に弱い道路網であることや、山間部を中心に未改良区間が多くあり災害発生時やほかの道路が通行止めになった場合の代替経路が不足していること、緊急輸送路の各所に耐震対策の必要が橋梁が残っていること―などを課題として挙げた。
 また、県の道路関係予算が減少し続けていることを報告。435億円を計上している11年度予算が、1995年度のピーク時(1450億円)に比べ約3割まで低下していること、このうち維持・補修に関する費用が、新規の道路建設などに充てる投資的費用を上回っていることなどを説明した。
 これを受けた検討会の議論では、委員から「東名高速沼津インターチェンジ(IC)から伊豆縦貫道路を利用するルートだけでなく、例えば厚木ICから西湘バイパス、真鶴道路などを経て東伊豆に向かう周遊アクセスの在り方などを考える必要がある」「道路整備の進展に合わせ、(伊豆地域に観光客を呼び込むための)需要を創り出すことが必要」「短期間に集中的な投資が可能な有料道路事業を活用すべき」「伊豆縦貫道路を柱とした南北軸の事業だけでなく、これに接続する東西軸(肋骨)の道路整備を考慮すべき」「観光だけでなく、物流面に配慮した道路整備を進めるべき」などの意見が出た。
 次回の検討会で、これらの意見や県側の考えを反映した論点整理を行う。 
(2011/9/7)

建通新聞社 静岡支社