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建通新聞社(神奈川)
2011/09/08

【神奈川】村岡・深沢地区拠点づくり 新駅・自由通路に109億円

 JR東海道線の大船駅と藤沢駅の中間に位置する旧湘南貨物駅跡地付近に新駅を設置し、周辺地域で新たな都市拠点を形成しようという「藤沢市村岡地区・鎌倉市深沢地区の拠点づくり」について、県と藤沢市、鎌倉市で構成する湘南地区整備連絡協議会(事務局・藤沢市)は、新駅の規模や概算事業費など、基礎的事項の検討結果をまとめ、6日に公表した。新駅乗降客を1日当たり約9万3000人と想定。新駅を橋上駅舎形式の島式ホームとした場合、自由通路の整備費と合わせて109億円と算定した。今後、関係機関の協力を得ながら早期実現に取り組みたいとしている。
 2008年3月に藤沢市と鎌倉市が、国、神奈川県などの関係機関と連携して「土地利用の構想案」「道路インフラ整備の基本方針」を盛り込んだ、「村岡・深沢地区全体整備構想(案)」をまとめた。
 具体化に向けては、「新たな交通拠点の形成が不可欠」であり、@拠点整備A広域道路インフラ整備B新駅整備―の実現に向けた検討が必要だと述べている。
 それらを受けて今回、新駅と駅前広場の規模のほか、新駅とそれにかかわる自由通路の概算事業費を算定した。
 まず、新駅は橋上駅舎とし、ホームは島式(ホーム1面、幅員11b、階段2カ所)と、相対式(ホーム2面、幅員・1面当たり6b、階段4カ所)の2パターンをイメージ。ホーム延長は15両編成が停車できる長さとした。駅舎規模は、類似する駅を参考に検討した結果、約1250平方bとなった。このほか、自由通路の幅員は12bに設定した。
 概算事業費は、いずれも消費税込みで、島式ホームが新駅関連79億円、自由通路関連30億円の計109億円。相対式ホームが同じく新駅関連(線路・駅設備費など)71億円、自由通路関連(整備費など)28億円の計99億円。自由通路設置に必要な用地費は計上していない。航空写真や既往の調査などを基に概算したもので、計画を具体化する中で再検証すべきだとしている。
 駅広は北口と南口にそれぞれ約5300平方bを確保。アクセス道路とバスの乗降場所、タクシープール、一般車乗降スペースなどのレイアウト案を示した。
 前回08年度は、「新駅を設置した場合の乗降客数」「交通インフラ整備の方向性」「新駅設置及び拠点整備の効果」などについて調査。新駅設置により、年間約15億円の便益が見込まれるとともに、大船駅・藤沢駅それぞれの利用者が約1割減少することから、「両駅構内の混雑緩和や周辺道路の交通混雑緩和が期待される」とした。
 地元両市では市民との協働で土地利用などの検討を進めている。今後、調査結果を踏まえ、早期実現に向けてさらに広域連携を深めていきたい考え。