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建通新聞社四国
2011/09/13

【高知】佐藤総合らJVが候補者 新図書館基本設計

 高知県と高知市は、合同で建設する新図書館など複合施設の基本設計者を公募型プロポ−ザル方式で審査した結果、佐藤総合企画・ライト岡田設計設計業務共同企業体(JV)を候補者とした。9月末までに契約し、2012年3月までの納期で進める。今後のスケジュールは、12年度に実施設計を引き続き同JVに委託して進める予定で、13年度に追手前小学校校舎の解体と複合施設建設に着手し、14年度末までに完成、15年度中の開館を目指す。
 新図書館などの複合施設は、12年度末で閉校する高知市追手筋2丁目の追手前小学校敷地東半分に建設する。複合施設の用地約5000平方b、多目的広場の用地約2000平方bを一体的に整備し、施設の延べ床面積は1万7800平方bほどとなる。高さは、建設地を高知市が商業地に用途変更したことにより、高知城周辺の景観基準である28bの制限は解除されたが、北側にある追手前高校の日当たりなどに影響がないよう考慮する。
 同JVの案は、5階建てで階高は約6b。1階が点字図書館、5階がこども科学館で、2〜4階が図書館となっている。図書館は各階ごとに2層分の書庫を計画、開架エリアは天井高約5・2b、児童コーナーや小部屋、閉架書庫は同約2・5bとしている。従来の見えない書庫から、施設の中心に積層した「見える書庫」とし、蔵書の成長に合わせたスペースの有効活用を図る。
 こども科学館は、5階の展示室・実験室・トップライト型の太陽光パネル・電気室・収蔵庫・屋上緑化に加え、1階の機械式駐車場や免震層、2〜3階の書庫にいたるまでを「見える」構成とし、施設を巡ることそのものが、子どもたちの学習となる空間を目指す構成としている。
 外観はガラス張りで、その外側に縦型リーフルーバーで建物を優しく包むことにより緑の街並みとの調和を図る。中心市街地の全方向からスムーズにアクセスできるよう、四方に出入口を設け、そのうち車両駐車場へは北側の追手筋、東側の中の橋通りの2方向からの出入口を設ける(日曜市開催時は東側のみで運用)。車両は、平面駐車場に28台、機械式駐車場に72台。機械式駐車場を建物の下に配置することで、多目的広場を広く活用できる計画とし、多目的広場に面してロビーやカフェを設け、イベントなどの一体利用を可能とする。また、バイクは北側、駐輪場は車両動線と交錯しない南側の安全な位置に独立して設ける。
 なお、今回の提案は応募者のデザイン力などを測ったもので、基本設計の中で変更する可能性もある。