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北海道建設新聞社
2011/09/20

【北海道】名寄市が413施設でアスベストを再調査−風連庁舎の検出受け 

 名寄市は、アスベスト含有建材の使用なしとされていた風連庁舎で、規制対象の一種「トレモライト」が検出されたことを受け、過去の調査でアスベスト使用の可能性があるとされていた市の413公共施設について再調査を実施する。一方、これに合わせ状況把握が難航している民間施設についても把握や対策の注意喚起を強め、対策促進を呼び掛ける方針。
 現在、使用が制限されているアスベストは6種類。検出したトレモライトは、当初から使用制限対象だったクリソタイルなど3種類に続き、2008年度に追加対象となった新3種の一つ。
 風連庁舎で暖房設備改修工事を進める施工者が、ボイラ室(約65m²)の施工時に実施した自主検査で、煙道や天井、壁125m²にトレモライトを検出した。
 名寄市では05年度にアスベスト使用の可能性がある市の公共施設413カ所を設計図書などを基に調査し、アスベスト使用の疑いが濃いとされた5カ所について精査した結果、旧3種については使用がないことを確認済み。新3種が追加された08年度には、この5カ所を再調査し、未使用を確認していた。しかし、05年度の段階で疑いの濃い5カ所に風連庁舎は含まれておらず、08年度の再調査時は、対象から外れていた。
 市は15日の第3回定例市議会で、この状況を報告。現行予算から約700万円をアスベスト除去費として計上し、暖房設備改修工事への設計変更で除去作業を実施する方針を示した。
 報告を受けた市議会では、竹中憲之市議(市民連合・凛風会)が、他施設についても同様に新3種のアスベストについて検出の可能性があると指摘し「市民の安全の問題」と再調査の実施を要求。市側は、再調査に応じる姿勢を示した。
 市側は今後、対象となる413公共施設を設計図書などを基に再度精査し、アスベスト使用の可能性に漏れがなかったかを確認。過去調査で対象としていなかった公園に設置する古い列車など、建築以外の設備も調査対象に含める方針だ。再調査の結果、検出があれば、早急に対策に取り組む。
 一方、市内の民間施設では約300施設でアスベスト使用の可能性が指摘されている。所有者対応のため市側で状況把握が難航している。今回の事態と再調査実施に合わせる形で、市民に対しアスベスト使用について注意を喚起し、施設所有者らに対しては状況把握や対策などを呼び掛ける考え。