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建通新聞社
2011/09/30

【大阪】大阪府 災害廃棄物処理指針策定へ 放射線量の基準など検討

大阪府は、東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理を大阪府域で受け入れる際の処理指針を策定する。処理に伴う放射線による人体や環境への影響に関する考え方を検討するため、「大阪府災害廃棄物の処理指針に係る検討会議」を設置。第1回会議を26日に開催した。山本孝夫大阪大学大学院工学研究科教授が座長に主任。受け入れ開始は、早くても年明けからとなる見通し。処理指針には受け入れる災害廃棄物の放射線量の基準などを盛り込む予定。関西圏での広域処理の目安ともなるだけに、指針の内容が注目される。
 大阪府は、被災地で発生した大量のガレキが復旧を妨げているとし、近隣府県のみでなく、全国的に受入れ可能な処分地に輸送する「広域的処理」を提案。府としては、支援を担当する岩手県の災害廃棄物を受け入れる方針で県に申し出ている。現地では第一次選別が約89%完了し、今後、第二次選別に移る。県外への搬出が可能になるのは早くても年明けと見られている。
 府内での受け入れ方針を公表した後、府民から放射性物質に対する不安の声が多数寄せられているため、「人体や環境への影響を及ぼさない対応」を行うよう処理指針を策定する。
 処理指針に盛り込む内容は、「廃棄物の処理として配慮すべき事項」と「放射線に関して配慮すべき事項」。検討会議では、@対象とする放射性物質の種類、線量限度A処理の各工程のおける考え方B測定に関する変え方(地点、方法、頻度など)−ほかを検討する。
 処理指針を公表した後、市長村など受入施設の意向調査を実施。被災自治体の要請に沿って廃棄物を確認後、受入施設を決定。処理開始後は、指針の順守状況を確認。測定結果を公表する計画だ。
 岩手県で発生した災害廃棄物は約475万t。府は可燃廃棄物と混合廃棄物を受け入れ、受入量は4万t以上となる見通し。海上輸送を行い、民間施設で屋内選別した後、可燃廃棄物は市町村などの焼却場で処理し焼却灰を大阪湾フェニックスセンターで埋め立て処分。金属などはリサイクルする計画。