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建設経済新聞社
2011/10/06

【京都】京都会館再整備検討委が初会合 「前川イズム」継承求める 高さ緩和に慎重検討の声も

 京都市は4日、第1ホールの建替えなど再整備する京都会館について、外観デザインなどを検討する委員会の初会合を開催。今の建物が持つものを継承するよう求める意見のほか、建替えに伴う高さ規制の緩和について慎重に検討するよう求める意見などがあがった。
 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会は、石田潤一郎京都工芸繊維大学工芸科学研究科教授(日本建築学会推薦予定)、伊藤久幸財団法人新国立劇場運営財団技術部長、衛藤照夫社団法人京都府建築士会会長、岡ア甚幸武庫川女子大学生活環境学部建築学科教授(京都大学名誉教授)、澤邉吉信岡崎自治連合会会長、道家駿太郎社団法人日本建築家協会近畿支部京都会会長、中川理京都工芸繊維大学工芸科学研究科教授(日本建築学会推薦予定)、橋本功前川建築設計事務所所長(現京都会館を設計した事務所の代表者)の8名で構成する。
 初会合では岡ア教授を委員長、石田教授を副委員長に選出した後、市側が再整備の基本方針を説明。続いて今後の検討委のスケジュールを提示した。第2回検討委は11月中旬頃に開催、基本設計にあたって配慮すること、検討することなど議論を深める。24年1月中旬頃に開催予定の第3回検討委で外観デザインのイメージ(複数案)をもとに検討を進め、案の絞込みを行うとともに、課題整理と具体的な改善点を検討。同年2月〜3月頃開催予定の第4回検討委で外観デザインの方向性を確定させる方針。

24年1月に複数案に絞込み
2〜3月に方向性決定めざす

 委員からは「前川イズムをうまく継承してもらいたい」、「中庭空間を活かしてもらいたい」、「新景観政策で決めた規制を公共建築ということで緩和されるが手続きとしていかがか」、「高さ31mが本当に必要か慎重に検討してもらいたい」、「後世に残るいいものをつくってもらいたい」などと意見があがった。初会合には、基本設計を担当する香山壽夫建築研究所(東京都文京区)の代表者が出席。「長く愛されてきた作品で優れた近代建築。大変光栄で責任が大きい」「建物は生きて使われてこそと考える。大役を全力をつくしてやりとげたい」と挨拶した。
 京都会館再整備の総事業費は概算89億円を見込む。再整備後の京都会館の命名権売却について、市はローム梶i京都市右京区)と9月13日に契約を締結した。契約金額は52億5000万円(税込)。期間は新京都会館の開館の日から50年間。