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建通新聞社(中部)
2011/10/21

【岐阜】45億円計画を実施へ―新たな地域医療再生計画―国から34億余りの内示

 ことし6月に岐阜県が国(厚生労働省)に提出した新たな地域医療再生計画(2011〜13年度)について、要望額45億円余りに対して約76%に当たる34億6000万円余りの内示があったことが明らかになった。18日に開催された岐阜県地域医療対策協議会(座長―森秀樹岐阜大学学長)の11年度第3回会合=写真=で報告された。これを受けて県は同計画で予定している事業項目すべてを実施する方向で、今後全体の事業費の縮減を図り、基金の交付申請に当たる再生計画を国に提出する考えだ。順調なら11月末までに国から交付決定、これを受けて計画に従い、積極的な事業展開を図ることにしている。
 新たな地域医療再生計画は、国の新たな地域医療再生臨時特例交付金の創設を受けて、高度・専門医療機関の整備・拡充などを図るため、必要な基金交付額などを国に申請するための計画で、県は@「医療・福祉連携」と「医療・消防(救急)連携」を推進A医療・福祉・消防(救急)の各分野の関係機関や人材が相互に連携、限りある資源や人材を活用し、県民の健康・生命を守る体制を構築B現行の地域医療再生計画における拡充・発展すべき分野を充実―を基本方針に、「医療・福祉の連携による小児医療、療育体制の整備」「医療・福祉の連携による認知症高齢者支援体制の整備」「医療・消防の連携による救急・災害医療体制の充実」「現在の地域医療再生計画の拡張、発展」の4つの施策体系ごとに策定した。
 11年度から13年度末までの3年間でハード面では総合療育拠点の整備をはじめ、認知症疾患医療センターの整備、災害拠点病院が実施するヘリポートなどの整備支援を盛り込んでいた。県は4月の地域医療対策協議会で承認された同計画を6月に国に提出。これを受けて国は基金の内示額を検討する有識者会議を開催するなど検討を重ね、14日付で各都道府県に内示した。
 県によると内示額は34億6038万7000円。提出した計画では、基金負担が45億円(総事業費が98億6330万円、事業者負担が22億5300万円、県費負担が26億0770万円、国庫支出金が4億8360万円)の計画(45億円計画)と、計画を重点特化させた15億円(総事業費が59億3820万円、事業者負担が3億4600万円、県費負担が39億2000万円、国庫支出金が1億7220万円)の計画(15億円計画)の2本を用意していたが、結果45億円計画の要望が認められた。要望額に対して約76%の内示となったが、県は計画していた事業項目はすべて実施する考えでいる。このため今後は事業費の縮減に向け、計画内容の再検討を急ぐことにしている。
 県が策定した新たな地域医療再生計画のうち、今回採択を受けた45億円計画の主な施策は次の通り。※事業費は要望時のもの。
<45億円計画>
◇医療・福祉の連携による小児医療・療育体制の整備
 ▽総合療育拠点の整備(11〜13年度)―県立希望が丘学園を再整備し、訓練の充実や県内他機関への支援のほか、発達障害児の診療・相談などの機能も強化し、新たに障害児の療育拠点として整備する。高度専門的な総合診療機能を背景とした濃厚な医療的ケアを必要とする18歳未満の重症児の入所など、県内唯一の重症心身障害児受入施設の長良医療センターと機能を分担する小児・障害児病棟を県総合医療センターに整備する。総事業費50億0140万円(基金負担25億0070万円、県費負担25億0070万円)
 ▽小児救命医療の充実(11〜13年度)―県総合医療センターに小児救命救急センターを整備するとともに、同センターと大垣市民病院にPICU(小児集中治療室)を整備し、小児救急医療体制の強化を図る。その際必要となる設備や運営支援を行うなど。総事業費2億6830万円(基金負担1億4090万円、事業者負担1億2400万円、国庫支出金340万円)
◇医療・福祉の連携による認知症高齢者支援体制の整備
 ▽認知症疾患医療センターの整備(11〜13年度)―認知症治療の拠点となる医療機関を各圏域に設置など。総事業費2億5650万円(基金負担1億5970万円、事業者負担4000万円、国庫支出金5670万円)
◇医療・消防の連携による救急・災害医療体制の充実
 ▽災害医療体制の充実(11〜13年度)―災害拠点病院が行うヘリポートや設備整備に対し支援、DMATチーム体制の充実など。総事業費7億1700万円(基金負担2億5310万円、事業者負担1億5830万円、県費負担9050万円、国庫支出金2億1520万円)
◇現在の地域医療再生計画の拡張、発展
 ▽がん対策(11〜13年度)―県がん情報センターを岐阜大学付属病院に設置、国庫補助対象外の効率のがん診療連携拠点病院などの設備整備支援。総事業費14億0490万円(基金負担1億8410万円、事業者負担12億2080万円)