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建通新聞社(静岡)
2011/10/26

【静岡】東海4県ブロック会議 安全安心な暮らしへ迅速な防災対策を要望

 第58回建設業協会東海4県ブロック会議が21日、静岡市のグランディエール・ブケトーカイで開かれ国土交通省などと意見を交わした。4協会は、東海、東南海、南海の三つの地震発生が予測されている地域として、安全安心のための社会資本整備の促進と、地域建設業の存在意義を強く訴えた。国土交通省側は、大震災被災地だけでなく地震や風水害による大被害を防止するため「全国的な防災対策の強化が必要」とするとともに、中央防災会議の審議に注目し、スピーディーに取り組みたいと答えた。また「これ以上の公共事業費の削減は困難だ。必要な予算を確保したい」と応じた。
 開催県としてあいさつした静岡県建協の伊藤孝会長は、公共投資激減と競争激化で「地域の社会資本整備の担い手であり、災害時に人々の生命・財産を守る『技術と経営に優れた地域の中核となる建設業』までもが消えてしまう最悪の事態になりかねない」と懸念。
 一方、国交省の「建設業の再生と発展のための方策2011」を「地域の建設業の抱えている課題に正面から取り組んだもの」と高く評価した上で、「方策」を踏まえて静岡県が「建設産業ビジョン」を策定中であることも紹介し、国と地方自治体の今後の施策展開に期待を表した。
 会議では、まず静岡県建協の薩川諭常任理事が提案議題の「安全安心な暮らしを守るために必要とする地域の社会資本整備の促進と、三連動地震などへの対応」を説明。すべての発注機関が入札契約制度適正化指針に沿った対応をするよう「強い指導」を求めるとともに、災害対策で「ハードの社会資本整備は基本的なことであり、スピード感をもって進める必要がある」と訴えた。
 続いて、各県から意見発表。三重県建協の竹上亀代司常任理事は、真に必要な社会資本整備の着実な推進に「建設業界の存在意義がある」と主張。愛知県建協の瀧川和宏副会長が、災害を被る前の早急なインフラ投資を要望した。岐阜県建協の前田重宏副会長は、「地域建設産業の衰退は地域の安全安心を損なう」として必要な社会資本整備の確保を求めた。
 これに対して、国交省建設市場整備課の松下雄介専門工事業高度化推進官は、「全国的な防災対策の強化が必要と認識している。これ以上の公共事業費の削減は困難。必要な予算をきちんと確保することが大切だ」と述べ、2012年度予算概算要求の概要を説明した。
 全発注機関への適正化指針の徹底については、「公契連などの機会を捉えて、各公共工事発注者に指針に沿った取り組みをするよう働き掛けていきたい」と答えた。
 地震対策に対しては、大臣官房技術調査課の勢田昌功建設システム管理企画室長が応じた。中央防災会議の動向を紹介した上で、「国交省としては、(会議の)審議に注目し速やかに具体の策として取り組む」とするとともに、道路ネットワーク維持のため、特に橋梁の耐震対策が重要と指摘。また津波に対して河川、海岸堤防の強化を推進する考えを示した。さらに、豪雨、洪水対策については、新潟での豪雨対策の効果を紹介し、「国民に事例を示してハード対策の必要性を伝えていきたい」と語った。
 なお、次回は三重県で開催することに決めた。(2011/10/26)
建通新聞社 静岡支社