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建通新聞社四国
2011/10/28

【香川】落札率は低下傾向 県の技術提案総合評価

 香川県が上半期に実施した一般競争入札のうち、技術提案を求める総合評価落札方式で実施した45件の落札率は84.5%だった(本紙調査)。昨年度同期の90.3%から5.8ポイント低下した。これは2011年度に一部見直された低入札価格調査制度や対象案件数が昨年度同期の96件から半減したこともあり、受注機会確保に向けて技術力より価格による競争が強くなった傾向にある。
 調査対象は、総合評価方式のうち施工技術提案を求める設計金額5000万円以上の案件45件で実績評価型、施工計画型、技術提案型の3タイプ。
 過度の低入札による応札は失格となるものの今期、低入札調査対象となり受注した案件の発生は11件。発生率は24%となり4件に1件が低入札での受注となっている。低価格応札での受注率幅は75.6%〜89.5%で平均は79.0%だった。
 低入札以外の34件の落札率の平均は86.2%となっている。
 反面、技術力によって価格差を逆転受注した件数は6件。発生率は13%となっており、技術力による受注より、低価格での受注が倍近い状況となっている。
 2〜4年前、過度な価格競争が増加し、低入札価格調査制度の対象案件が07年度には16件、08年度には25件と増加し、落札率を押し下げる要因となっていた。
 このため、県では過度な価格競争を排除し、適切な施工体制の構築を確保する観点から09年4月に同調査制度の失格となる数値的判断基準を見直し、失格基準を強化したことにより、落札率の改善が見られたが、11年度に再度、低入札価格調査基準の設定値を見直し、調査基準と失格基準との間に幅を設定し、低入札での受注も可能とした。
 低入札での応札は、総合評価の評価項目で減点となるとともに、次回の入札参加にも足かせとなるが、案件数の激減により、「無理をしてでも受注」との風潮が現れている。