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建通新聞社(神奈川)
2011/11/02

【神奈川】県中小企業制度融資 7割が震災対応

 神奈川県がまとめた中小企業制度融資の2011年度上期実績によると、東日本大震災後の経営安定を図るための資金である「震災復興融資」「景気対策特別融資」「激甚災害特別融資」の三つの融資実績が、金額ベースで全体の7割を占めた。特に、5月に新設した震災復興融資は、6月に入って申し込みが本格化し、実質4カ月間で融資全体の3割弱(金額ベース)を占める割合となった。
 4〜9月の中小企業制度融資全体の実績は6202件、1156億6000万円。前年同期と比べて金額ベースで0・5%増えた。
 このうち、三つの震災対応融資額の合計は、3088件、806億1000万円(制度融資全体の69・7%)で、前年同期と比べて金額ベースで8・8%増加した。
 震災対応融資のうち、「震災復興融資」は2年以内〜10年以内の期間で、1・3%以内〜1・7%以内の最優遇金利を適用。5月補正予算で新設した。ほかの融資とは別枠で、震災の直接被害や間接的被害を受けた企業が利用できる。上期の実績は968件、327億9000万円で、中小企業制度融資全体に占める割合は金額ベースで28・4%だった。
 「景気対策特別融資」の件数は2115件で、融資額合計は477億9000万円。前年同期と比べて件数ベースで35・5%減、金額ベースでも35・5%マイナスした。同融資は、セーフティ別枠(国が指定する業種で、市町村の認定を受けた中小企業者・協同組合などの事業資金全般)と一般枠(最近の売上高などが減少している中小企業者ほかの事業資金全般)があり、震災の影響に限らず、売り上げが減少している中小企業が対象。
 激甚災害特別融資は、県内で震災の直接被害を受けた中小企業が対象で、上期の実績は5件、3000万円だった。
 このほか県は、円高の影響を受けている中小企業の資金繰りを支援するため、融資期間5年以内、最優遇金利1・5%以内の「円高対応特別融資」を、10月14日〜2012年3月31日の期間限定(融資申し込み分)で創設。さらに、円高の影響を受けている中小企業の返済負担を軽減するため、既存のセーフティネット保証関係の融資を、金利や信用保証料で最優遇の「震災復興融資」に借り換え、一本化できるようにした。これにより、利率や信用保証料の軽減、借り換えに合わせた真水(ニューマネー)の追加などが期待できる。