トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2011/11/18

【静岡】沼川新放水路の建設や3河川の整備など盛る 富士川水系沼川ブロックの河川整備計画原案まとまる

 富士川水系沼川ブロックの今後20年間の河川整備の具体策を示す「富士川水系富士山麓(さんろく)沼川ブロック河川整備計画」の原案がまとまった。延長約2・3`の沼川新放水路を新設する方針を打ち出すともに、江尾江川や小潤井川、伝法沢川での築堤や掘削、護岸整備などを進める。11日に開かれた富士川水系沼川ブロック流域委員会(委員長・齋藤晃東海大学名誉教授)の第5回会合で、原案が承認された。県は、11月下旬に県民意見の反映手続きを開始し、2011年度内にも国に認可申請する。
 河川整備計画の対象は、▽沼川▽小潤井川▽伝法沢川▽和田川▽滝川▽田宿川▽赤淵川▽昭和放水路▽須津川▽江尾江川▽春山川▽駒瀬川▽沼津大沢川▽沼川第2放水路▽高橋川―の15河川の県管理区間。
 沼川新放水路と江尾江川、小潤井川、伝法沢川の4河川で、「10年に1度程度発生が予想される規模の浸水被害の解消」を目標に掲げた。
 新たに建設する沼川新放水路は、高橋川分流地点から駿河湾までの延長約2・3`。高橋川分流地点から河口区間で毎秒150立方bの流量を安全に流せるよう、JR東海道線以北で開水路、JR東海道線以南でボックスカルバート(トンネル)による放水路を構築する。トンネル区間については、内側の幅10b、高さ6b程度のボックスを横に二つ並べた形(=図参照)を想定しており、海岸侵食や海岸環境への影響を踏まえて構造を決める。これに併せ、吐口部や開口部(ゲート)、国道1号の橋梁化、分流施設などを整備する。
 江尾江川は、沼川合流地点から江尾橋までの延長約1・9`区間が対象。毎秒20立方bの流量を安全に流せるよう、築堤や河床掘削、護岸整備などを行う。
 小潤井川では、伝法沢川との合流地点から沼川に向かった延長約3`で、毎秒90立方bの流量を安全に流すことを目標とする。これに向け、河床の掘削や築堤などの整備を実施し、川幅を広げる。
 伝法沢川の整備計画区間は、小潤井川から中村橋までの延長約400b。毎秒75立方bの流量を安全に流すことを目的に、河床掘削や築堤などの整備を行うとした。
 また、県が進めるこれらの事業に合わせ、沼津市と富士市が、貯留浸透施設の設置指導や遊水機能保全のための盛土規制などの治水対策を進める。和田川など堤防の高さが低く上下流の流下バランスが損なわれている箇所で、必要に応じて局部的な河道改修を行う。
 さらに、県が今後策定する東海・南海・東南海の3連動地震による津波被害想定を踏まえ、津波の遡上(そじょう)対策として、沼川水門橋の改修や堤防の嵩上げについて検討し、必要な対策を実施する。
(2011/11/18)

建通新聞社 静岡支社