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北海道建設新聞社
2011/11/18

【北海道】自転車走行帯整備に向け札幌開建が実態調査 

 札幌開建は、自転車走行環境の向上を目指し、市内で利用実態調査を進めている。調査は、自転車の走行が多い区間や利用特性などを把握し、今後、自転車走行帯を整備する区間を決めるための基礎資料とする。市内では、新札幌駅周辺が歩行者と自転車の双方が安全に通行できるモデル地区に選ばれ、それぞれの完全分離が先行的に実現しているが、このような自転車の走行環境改善に向けた取り組みが広がりを見せそうだ。
 自転車は、車道を走行するのが原則。だが実態は歩道を走行するケースが多く、歩行者や車と接触する事故も増加傾向にある。そのため自転車が安全に走行できるような道路整備が求められている。
 こうした中、市街地での安全な利用を目指し、国は2007年度、自転車が多く走行する駅周辺などから「自転車通行環境整備モデル地区」を選定。全国98カ所中、市内では新札幌地区が指定された。これを受けて札幌開建は、国道12号の790m区間で歩行者と自転車を分離する歩道改修を進め、10年9月に供用している。
 両側にある幅員6・5mの歩道それぞれを、2mの植樹帯を除き2mずつに区分し、車道側を自転車道、外側を歩行者道とした。自転車が歩行者道側へ入り込まないよう、中央部には幅50cmで縁石と鉄柵を設けた。
 このほか表層は舗装し直し、歩行者道には視覚障害者用の点字ブロックを敷設、自転車道側には破線を引いて走行方向別に車線を分けた。これら一連の整備には、1億4000万円を投じている。
 同開建が実施した利用者アンケートによると、利用者の9割が安全性や快適性が向上したと感じ、7割が歩行者と自転車を分離したことに満足したと回答。同開建は、今後も分離を進めていく考えで、その基礎資料となる市内各地での利用実態調査をドーコンで進めている。
 ただ、現状の歩道幅員に自転車道を物理的に分離するだけの余裕がある路線は国道を除くと少なく、道道や市道では整備が難しいのが実態。路面表示などと組み合わせて、自転車の利用者に認識してもらうなどの対策も必要となる。
 自転車の利用をめぐってはことし10月、警察庁が各地の警察本部などに自転車の車道通行の徹底を盛り込んだ「自転車交通総合対策」を通達。幅員が3m以上の自転車通行可の歩道で走行を許可するとしたほか、車道に通行帯を設けるといった対策を指示した。
 健康ブームや環境意識の高まりで増加傾向にある自転車だが、その走行環境改善は急務となっている。