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建通新聞社(静岡)
2011/11/28

【静岡】今後10年間で400億円の投資的費用が必要 伊豆地域の道路整備のあり方検討会で県が見通し

 静岡県の「伊豆地域の道路整備のあり方検討会」(委員長・兵藤哲朗東京海洋大学教授)の第2回会合が24日、三島市内で開かれ、事務局の県側が、今後10年間の伊豆地域の道路ネットワーク整備や防災対策に必要な投資的費用として「400億円の投入が必要」との見通しを示した。また、その後の10年間でも、伊豆縦貫自動車道やこれに接続する肋骨道路の整備、沿岸部の改良などで400億円の投資的費用を見込んでいる。
 県側は、およそ10年後(平成30年代半ば)の目標として、伊豆縦貫自動車道(東駿河湾環状道路、天城北道路、河津下田道路T期・U期)を概成し、伊豆縦貫に接続する国道136号土肥拡幅など肋骨道路の整備を推進。さらに、降雨などによる事前通行規制区間内の防災対策の完了を目指すこととした。これらに必要な事業費として、直轄事業に1000億円、直轄を除いた投資的費用に400億円、防災対策に50億円を見込んだ。
 さらに、その後の10年間(平成40年代半ば)で、伊豆縦貫自動車道(天城湯ケ島〜河津間)の整備や、下佐々野谷津線などの肋骨道路の整備、国道136号雲見〜松崎拡幅など沿岸部の改良推進、事前通行規制区間以外の防災対策などを進める。この事業費に、直轄事業で500億円、直轄を除く投資的経費で400億円、防災対策で50億円が必要と試算した。
 また、伊豆中央道と修善寺道路はトンネルや橋梁部が多いため、県管理道路の平均(延長1`当たり199万5000円)の4倍以上の維持補修費を要していることを説明。さらに、天城北道路や河津下田道路の供用、有料道路の無料化により新たに維持管理費用が年間2億円増加するとの見通しを示し、これらを踏まえた道路整備の在り方や財源確保が欠かせないとした。

「観光業に最も重要な基盤」「だれの視点で道路整備をするのか」―地域有識者が意見

 検討会ではこのほか、地域の有識者を招いて意見を交わした。
 土肥ふじやホテルの後藤千代子女将が「観光業にとって道路は最も重要な基盤」と話したほか、下田商工会議所の田中豊会頭が「まず伊豆縦貫道路、そしてそれにつながる肋骨道路の整備を促進した上で、防災対策や歩道整備、バスの大型化に対応したトンネルの改修、景観への配慮、市町の道路の計画的修繕が必要」とした。
 マックスバリュ東海の寺嶋晋社長は、道路整備の視点として「地域で日常生活する人」を最優先すべきと指摘。「必要な道路をいつどのような手段で確立するのか、地域の人に明確にして進めるべき」と述べた。企業経営研究所の中山勝常務理事は「伊豆地域は建設業が主要な産業。道路整備の予算が減る中で、地域の産業としての建設業をどう守っていくのかも考えるべき」と話した。
(2011/11/30)
建通新聞社 静岡支社