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建通新聞社(静岡)
2011/11/30

【静岡】静岡県 ビジネス経営体の支援策12年度にスタート 入契制度見直しなど11年度中に

 静岡県は、県建設産業ビジョンの中で今後の建設業の在るべき姿の一つとして提示された「ビジネス経営体」の支援策を2012年度にスタートする方針。概念に合致した企業向けに積極的な工事発注ができるよう入札・契約制度の見直しを11年度中に進めるほか、県の部局間で連携して経営状況の診断や経営力を高めるための助言などを行う。また、ビジネス経営体を目指す企業への支援として、合併や統合をしやすい環境づくりを進める。事業費については12年度予算で確保する。森山誠二県交通基盤部長が本紙とのインタビューで明らかにした。
 ビジネス経営体の概念は、県建設業審議会(会長・小川雄二郎富士常葉大学非常勤講師)が建設産業の再生策として示した。一定規模以上の公共工事の受注者として、また地域の社会基盤の整備や災害時の担い手となる総合工事業の目指すべき具体像を「法人格と企画的業務を担う部門を備え、県の入札参加資格の総合点数が1000点程度」と位置付けた。また、災害時の対応空白地帯の発生を防ぐため、過疎地域などでは「総合点数に4割程度の割増が考えられる」とした。
 森山部長は、このビジネス経営体について「公共工事の担い手として、また災害時の守り役として地域に存続してもらわなければならない存在」「公共工事を受注するだけでなく、存続するための仕事を自ら考える存在」ととらえ、「まず、この概念に合致している企業に積極的に県の工事を発注していく」との考えを明らかにした。県の入札参加有資格者のうち総合点数が1000点以上の土木業者は現在約330者あるが、こうした企業向けの総合評価落札方式での加算措置など入札・契約制度の見直しを11年度中に行い、12年度から対応する。
 また、ビジネス経営体が今後の経営を考える際、「経済産業部などほかの部局と連携し、経営状況の診断や経営力を高めるための助言などを行う」ことを検討する。
 さらに、合併や統合などでビジネス経営体を目指す企業に対し、「合併をしやすい環境づくりを行う一方、転業や廃業がスムーズにできるよう誘導していかなければならない」と述べ、どのような支援が可能なのか検討を急ぐ方針。
 事業費が必要な支援策については、12年度予算に計上する。
 今回の建設産業ビジョンでは、総合工事業の目指すべき姿としてビジネス経営体が示されたが、専門工事業についても「まず総合工事業での取り組みを進め、次に専門工事業の在り方を探っていく」考えだ。
(2011/12/30)

建通新聞社 静岡支社