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建通新聞社(中部)
2011/12/13

【岐阜】特別支援学校の整備状況 飛騨北部・南部校は12年度工事発注

 岐阜県が進めている特別支援教育推進計画「子どもかがやきプラン」による特別支援学校の整備状況をまとめた。2011年度は可茂校の2期事業(体育館・プール棟)の整備を進めているほか、飛騨北部と南部校の基本・実施設計を完了し、12年度の工事発注に備えていく。このほか岐阜希望が丘校について近く設計者選定作業に入るほか、羽島市内に計画する岐阜南部地域の新学校についても候補地の再選定を急ぐ計画だ。
 子どもかがやきプランは、地域の中で特別支援教育の核として特別支援学校を整備するとし、プラン策定時の12校から最終的に20校を充実させることなどを目標に掲げている。これまでに可茂校が11年度に開校するなど同プランに沿って順次整備が進められている。
 11年度に開校した可茂校は11年度に2期事業として体育館とプール棟の建築を進めている。このほかに同プランに盛り込まれた学校の整備については県の財政状況を考慮しながら早期の事業化と目標年次までの開校を目指すことにしている。
 各学校の整備状況は次の通り。
◇学校の新設
<可茂校(新設=美濃加茂市内)>
 2011年度に体育館(鉄骨造平屋750平方b)・プール棟(FRP製2コース、20b×4・5b)、プール付属棟(鉄筋コンクリート造平屋138平方b)などを整備中。工期は2012年3月26日。施工は両施設の建築を市川・青協JV、電気を弘明電気工業、機械を和泉、設計と工事監理その1を岬建築事所、工事監理その2をシーテック21が担当している
<岐阜南部地域(新設=羽島市内)>
 当初計画していた羽島市北部の計画地用地取得で一部地権者から同意が得られなかったことから、同地での建設を断念し、別地の候補地選定作業を現在も急いでいる。プランでは15年一部開校の目標。計画児童生徒数は小・中・高等部合わせて約120人。知的・肢体不自由、病弱対象の支援学校として整備を図ることにしている。
 当初計画では、10年度に事業着手し用地買収を行うほか、造成工事などに着手することにしていたがその後用地取得が伸びたため、その後11年度の造成着手と並行して11〜12年度に設計、13年度着工、15年度小中学部一部開校、16年度高等部開校(全開校)を目指す計画でいた。
<飛騨北部地域(新設=飛騨市内)>
 11年度に実施設計(建築・設備一括)を山田建築事務所(岐阜市)に委託して業務を進めている。工期は12年1月末。12年度の校舎棟(教室棟)の工事発注を目指している。
 計画規模は教室棟が鉄筋コンクリート造2階建て延べ1768平方b程度、バスヤードが鉄骨造平屋55平方b程度、体育館が鉄骨造平屋392平方b程度。全体事業費は7億5100万円。
 計画地は飛騨市古川町片原町8ノ35。13年4月の開校を目指しているが、体育館は13年度に整備する予定。
<飛騨南部地域(新設=益田清風高校旧下呂校舎)>
 11年度に実施設計を進めており、近く(工期15日まで)完了する。委託先は建築が企画設計室フクダ(飛騨市)、設備が岐阜建築設備計画(岐阜市)。下呂市小川432ノ1の飛騨特別支援学校下呂分校を改修し、小中学部を開設する(高等部は09年度開校)。児童生徒数45人(12学級)を想定。普通教室12室、特別教室5室などで構成する校舎棟(益田清風高校旧下呂校舎)を改修し、体育館などを整備する。
 校舎棟の既設規模は鉄筋コンクリート造4階建て延べ2487平方b。全体事業費は6億7300万円。13年4月の開校を目指していく。
 体育館は13年度に整備する予定。
<高等学校特別支援学校(新設=センター岐阜地域内、分校4圏域内)> 就職率100%を目指す専門学科。教育課程などの研究・学校の在り方の検討を教育委員会内で進めている。18年度までの開校を目指す計画だが詳細は未定
◇既存校の整備
<岐阜中央地域(岐阜希望が丘特別支援学校の再編整備)>
 岐阜市鷺山地区にある「県立希望が丘学園」と「県立岐阜希望が丘特別支援学校」の再整備を同時かつ一体的に整備する。12年度に基本・実施設計に着手し、13年度の着工、15年度の供用開始を目指すほか、16年度以降は2期事業として現行施設跡地の活用を図る。11年度は公募型の設計者選定プロポーザルコンペを行うため、現在公共建築住宅課が中心となって準備を進めており、近く公募を開始する運び。
 希望が丘学園は1974年に開設した肢体不自由児施設兼入園施設で、既設規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ4490平方b。病院、肢体不自由児施設のほか、発達障害児の診療・相談機能などを有しているが、施設の老朽化や狭あい化による機能低下、医療機器の老朽化や不足、小児救急医療との連携強化、発達障害児への支援強化などが課題となっていた。
 一方、岐阜希望が丘特別支援学校は79年に希望が丘学園に合築する形で設置された小・中学部で構成する学校で、既設の規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ2116平方b。現在児童生徒数は約55人(うち学園入所児約20人)。子どもかがやきプランに基づき、新たに肢体不自由児の児童生徒も対象とする特別支援学校として整備するほか、小学部から高等部までの一貫した教育や医療と連携した教育の充実を図ることにしている。
 計画地は隣接する伊奈波中学校跡地(11年度末で閉校予定)約2f。計画規模は、学園が延べ約6700平方b、特別支援学校が延べ約6800平方b。このほか規模は不明だが、屋内運動場の新設も2期事業として計画している。