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建通新聞社(中部)
2011/12/15

【三重】県健康福祉部 こども心身発達医療センター(仮称)整備事業 12年度に設計へ

 三重県健康福祉部は、津市城山にある県立草の実リハビリテーションセンターと県立小児心療センターあすなろ学園を機能統合し、こころと身体の発達支援拠点「こども心身発達医療センター」(仮称)として一体的に整備するための調査を進めており、2012年度に設計、13年度中の工事着手を目指すことなどを盛り込んだ中間とりまとめを公表した。
 12日に行われた県議会健康福祉病院常任委員会で県側が説明した。同事業は、三重県地域医療再生計画の一事業として新たに創設することが承認され、国の地域医療再生臨時交付金が交付される。同事業の事業化に向けた調査は、「こどものこころとからだの発達支援体制強化調査事業」として実施しており、拠点施設としての機能の在り方や整備内容、整備予定地の検討、事業スケジュール、事業費案などが説明された。
 現在ある県立草の実リハビリテーションセンター(津市城山1ノ29ノ25)は、県内唯一の肢体不自由児施設で、小児整形外科診療などの医療施設。3期に分けた工事で1979年度までに改築を終えた。施設全体の延べ面積は5958平方b。県立小児心療センターあすなろ学園(津市城山1ノ12ノ3)は全国唯一の独立した児童精神科病院。84年度までに新築、改修を終えた。本館、病棟の延べ面積は5532平方b。両施設は、城山特別支援学校草の実分校を挟んで南北に並んでいる。両施設とも建設から30年以上が経過し、施設の老朽化により、安全性、設備面などで課題の改善が求められていた。
 施設統合に当たっては、両施設の機能を持たせることによる相乗効果とともに専門機能をさらに高め、子どもの発達支援の拠点として位置付ける。さらに管理部門の一元化などにより効率的な運営を目指す。
 整備予定地の検討に当たっては、現行敷地面積以上の面積を有する一区画の土地、県有地または土地の一括取得が可能であること、三重こども病院群との連携が容易であることなどを候補地の条件とした。県では、現在地も候補地として含め検討し、12年1月にも県議会に候補地を報告する計画。
 施設規模は、現在の両施設の延べ面積約1万5000平方bを参考にして、施設の集約や新たな機能に必要な面積などを踏まえて規模を設定する。診療科目は現行機能を基本に検討する。想定する定員は、126床未満(現行140床)を見込む。
 調査報告で示された今後の事業スケジュールは、12年度に各種調査、同年度から施設の基本・実施設計、造成の設計を2カ年で進め、13年度中に造成、建築工事に着手、造成も含め3〜4年の工期を見込み、17年度の供用を目指す。
 総事業費(案)は57億3000万円で、このうち、設計なども含む工事費は52億8700万円を見込んでいる。