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建通新聞社
2011/12/15

【大阪】大阪府住宅まちづくり部 府営住宅の耐震改修 中層でも実施へ 12年度にも耐震診断開始

 大阪府住宅まちづくり部は、建て替えを原則としてきた中層府営住宅の耐震化に、耐震改修を加えるとともに、耐震改修後のエレベータ設置も視野に入れて検討を行う。日本建築総合試験所(吹田市)に委託して検討調査を実施している。早ければ2012年度から一部中層住宅に関して、基本計画を含めた耐震診断を開始する見通しだ。
 府は2007年度から府営住宅の耐震改修事業を開始し、これまでに約4,700戸の実績がある。しかし、これは高層住宅を対象としたもので、中層住宅(5階建て以下)で耐震性能を満たさない棟は建て替えにより、耐震性を確保することが原則だった。建て替えには長い調整期間が必要で、このままでは目標とする耐震化率を達成できない恐れがある。
 現在策定中の「大阪府営住宅ストック総合活用計画」に中層住宅の耐震改修を盛り込み、耐震化のスピードアップを図ることとした。必要な耐震性能を満たさない中層住宅は、4,000〜5,000戸あると見られ、これをストック総合活用計画の期間中(20年度)にほとんどすべて耐震改修か建て替えにより耐震化する計画。
 府営住宅の耐震改修は、標準で着工までに3カ年が必要。1年目は基本計画の策定を含めた耐震診断を行い、2年目に実施設計(一部は着工まで)、3年目に着工する。中層住宅耐震改修の対象住棟は明確になっていないが、目標達成のために12年度から耐震診断に入りたいとしている。
 日本建築総合試験所に委託しているのは、標準的な中層住宅の耐震改修工法の検討。実際に耐震改修を行う際には、敷地の形状などに合わせた各種工法を組み合わせる見込み。現在の高層住宅耐震改修ではアウトフレーム工法を採用しているが、これを含めて梁、柱の補強などを検討する。
 一方、中層住宅へのエレベータ設置は現在も実施しているが、必要な耐震性能を満たす棟が対象。今後は、耐震改修後のエレベーター設置も想定。ストック総合活用計画の期間中に2,800基を設置する目標だ。