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北海道建設新聞社
2012/01/18

【北海道】岩見沢市が除排雪費6億円追加を専決処分−大雪災害で道路寸断

 積雪量が過去最高を記録した岩見沢市は豪雪対策として、16日付で除排雪関連費6億円を専決処分で追加補正した。道路が雪で寸断し、交通機関はまひ。地域住民にも大きな混乱や被害をもたらすなど災害級の大雪≠ヘ各方面に多大な影響を与えている。建設業も使命感から昼夜を通して懸命の作業を続けるが、昨冬の除排雪体制をさらに上回る異常気象に疲労は極限にまで達している。
 今回の補正では、道路交通確保対策の除排雪費に全額の6億円を充てる。除雪費は3億2000万円で基準降雪量を1000cmに想定。排雪費は2億8000万円で7回分を見込んだ。
 岩見沢市では昨年11月から断続的な降雪が続いており、16日には市内の積雪記録180cmを42年ぶりに更新する194cmに達した。降雪累計は16日現在で、平年の2倍以上となる659cmとなった。
 バス会社の市内路線は一部路線を除き16日から終日運休が続く。降雪で雪山が道路にせり出し、車がすれ違えず交通にも支障が出ている。屋根の雪下ろしに伴う落下事故などの負傷者も17日までに16人に上った。ビニールハウスなどの農業施設は17件が被害を受け、住家は半壊、一部損壊が各1件発生している。
 市民からは「道路が狭いので排雪を早く進めて」「ざくざく路面の段差解消を」などといった声が市に寄せられ、苦情件数は16日だけで300件、累計では2400件とハイペースで推移する。
 岩見沢市内では車道除雪計29工区、歩道除雪計14工区がフル稼働し、市民の生活を守ろうと連日連夜、懸命に除排雪作業を展開中だ。市内のある建設業者は「昨シーズンも降雪量がすごく多かったが、今シーズンは作業量がすでに追い付いてしまったのではないか」と語り、厳しい作業が続く中で現場の疲労は色濃い。
 さらには、作業場所に向かう道幅が狭いため、たどり着くのが遅くなり、作業効率が悪くなるとの懸念を示しながら「このままのペースで降り続くと、例年の倍以上の作業量になりそう。除排雪は経験が必要なので、どうしてもベテラン作業者に負担がかかってしまうのが気掛かりだ」と、管理者側も心配の種が尽きない。