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建通新聞社(静岡)
2012/02/10

【静岡】富士川水系沼川ブロック流域委員会 放水路や調整池新設へ―沼川河川整備計画案

 富士川水系沼川ブロック流域委員会(委員長・齋藤晃東海大学名誉教授)の第6回会合が8日、沼津市内で開かれ、沼川新放水路や伝法沢川・横堀川調整池の新設などを柱とした「富士川水系富士山麓沼川ブロック河川整備計画」の案が承認された。これを踏まえ、県が今後、関係市町の意見を聴取した上で計画を確定し、国に認可を申請。2012年度から具体的な事業に取り組む。
 沼川ブロック河川整備計画では、主な事業箇所として▽沼川新放水路▽江尾江川▽小潤井川▽伝法沢川―の4河川を提示。
 沼川新放水路は、高橋川分流地点から駿河湾までの延長約2・3`に、毎秒150立方bの流量を安全に流すため新設する。JR東海道線以南の暗渠区間にボックスカルバートを、同線以北の開水路区間に築堤や護岸などを整備する。暗渠区間は、幅約10b、高さ約5bのボックスを横に二つ並べる形を想定しているが、海岸侵食や海岸環境への影響を踏まえて断面形状などを今後検討する。
 江尾江川は、沼川合流点から江尾橋までの延長約1・9`が対象。毎秒20立方bの流量を安全に流すことを目標に設定し、河床掘削や築堤などを整備して流下断面を確保する。
 小潤井川の整備実施区間は、津田橋から伝法沢川合流点までの延長約2`。毎秒80立方bの水が安全に流下できるよう、築堤や掘削、護岸整備などに取り組む。
 伝法沢川では、小潤井川合流点から中村橋までの延長約0・4`で、毎秒75立方bの水が流下するよう、築堤や掘削、護岸整備を行って河積を拡大。合わせて、東名高速道路の北側に面積約1f(約180b×約80b)の伝法沢川・横堀川調整池を設置する。調整池は、池部を掘削して周囲堤を配置。伝法沢川と横堀川にそれぞれ分流施設を設けるとともに、伝法沢川に沿った導水路を整備し、一定量を超えた水を調整池内に一時的にためる。
 河川整備に当たっては、水深に変化をつけたり自然の河床材を使うなどして河床の多様性を確保するほか、水際植物の復元や緑化ブロックの設置により景観や環境に配慮する。
 また、県が今後策定する第4次地震被害想定に基づき、沼川水門橋の改修や堤防嵩上げなどの津波遡上(そじょう)対策を検討するほか、和田川など堤防の高さが低く上下流の流下能力バランスが崩れている場所で局部的な河川改修を実施する方針も盛り込んだ。
(2012/2/10)
建通新聞社 静岡支社