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北海道建設新聞社
2012/02/22

【北海道】12年度の生コン出荷予測は300万m³割れ−統計開始来初 

 北海道生コンクリート工業組合と協同組合連合会がまとめた需要見通しによると、2012年度の道内生コン出荷量は、前年度実績(予想値)を11.6%下回る297万1000m³と予測している。統計開始から初めて300万m³を割り込む格好。北海道新幹線関連のトンネル工事完成で、木古内など南北海道の出荷量が25%近く落ちるほか、医療施設の建設ラッシュが一段落した札幌での民需の伸び悩みが要因となっている。
 官公需は9.8%減の160万6000m³を予想。道新幹線の整備需要が続く函館が23万2000m³で、前年並みの好調さを持続するとみている。逆に江差町や木古内町などで構成する南北海道は、13万5000m³で25.8%減と厳しい展開を見通す。
 民間需要は136万5000m³で13.6%減を見込む。このうち、最大市場の札幌は18.9%ダウンの71万4000m³を想定。分譲マンションは前年度並みに推移するものの、同様に旺盛だった医療施設の新築や増改築が、そう多くは見込めないことが背景にある。札幌三井ビルの建て替えや札幌競馬場スタンド改築といった大型物件が控えているが、11年度の88万m³には届かないとみている。
 総出荷量が11年度実績の横ばい以上となるのは函館と小樽、室蘭、千歳、北根室、北見、旭川、富良野の8地域。このうち小樽は44.6%増の8万1000m³を予想する。北海道済生会の小樽病院移転新築に加え、北海道横断自動車道の小樽JCT―余市IC間が本格化するとみているためだ。
 富良野は北の峰トンネルや空知川頭首工で需要が見込まれるものの、全体を大きく押し上げる効果には至らず、2.9%の微増を想定している。
 千歳は札幌開建の道央用水3期農業水利道央注水工の関連出荷が続くほか、道防衛局による千歳基地誘導路整備の1万2000m³などが要因。三菱商事グループ会社のエム・エス・ケー農業機械(本社・東京)による恵庭市内での社屋建設も下支え要因に働くとみている。
 北見は仮称・高栄地区の道営住宅建設などが堅調に推移するほか、北見赤十字病院の新本館棟着工などが背景にあると予想する。
 28地域のうち、上川中部は先行きの不透明感を理由に需要見通しを算出していない。ただ、11年度出荷実績が2000m³と他の地域に比べて規模が小さいため、同地域を除いて12年度の道内需要見通しをまとめた。