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建通新聞社(神奈川)
2012/02/28

【神奈川】国衛研 川崎市の殿町地区に移転決める 

 国立医薬品食品衛生研究所(国衛研、東京都世田谷区上用賀1ノ18ノ1)は、老朽化が進み手狭になった研究所の移転先を川崎市川崎区の殿町地区に決めた。川崎市の国際戦略総合特区へ進出する。今後、施設建設に向けた国や川崎市の予算が認められれば、2カ年程度で設計を、その後2カ年程度で建設工事を進める。
 現在の施設を全面的に移転する。国衛研の職員数は約450人で、必要な施設の規模は約3万3300平方b。設計や建設工事の発注を関東地方整備局が担当する。
 建設予定地は、殿町3丁目地内にURが所有する土地の一部約2・7f=図=で、国と川崎市がURから取得する。用地費約48億6000万円のうち国が約18億円、川崎市が約30億6000万円(2012〜14年度)を負担し、国衛研に無償貸与する計画だ。
 国衛研の移転が完了すれば、隣接地で11年7月に完成した実験動物中央研究所や、12年度中に開設を予定している川崎市の産学公民連携研究センターと連携した研究などが期待できる。
=府中市への移転計画を見直す=
 国衛研はこれまで、東京都府中市浅間町の米軍基地跡地に研究所を移転する計画で、新施設の内容や整備手法の検討などを進めていた。移転計画は国家公務員宿舎の建設と公園の整備を一体で実施する方向であったが、移転に対する地元住民の反対が強く、府中市は国に対し、跡地の用途の見直しを要請していた。また、国家公務員宿舎の建設中止が11年12月に決まったため、国衛研は府中への移転を断念。新たな移転先をライフイノベーション分野の機能集積を図る川崎市の殿町地区に決めた。移転後の土地約3万平方bは売却する。