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福島建設工業新聞社
2012/03/08

【福島】インフレスライド条項/県工事でも適用開始

 県は、被災3県の賃金水準上昇を受けた「インフレスライド条項」について、県発注工事における運用をまとめ、7日付で関係部局に通知、実質的に適用を始めた。
 基本的な運用は国に準じているが、県工事では、県の労務単価改定(2月23日)後の通知発出となったことで、初回改定の特例として、旧単価で積算・契約手続き中の案件についても、全工事期間を残工期として扱い、契約日にさかのぼってインフレスライドの適用を認める。
 国土交通省では手続き中案件について、新単価に組み替えて入札を行うなどの措置をするが、県はインフレスライドの適用で対応する。通知を出した後に契約を結んだ工事だけでなく、通知日(7日)以前の契約でも労務単価改定後に契約したものは適用の対象とする。
 初回特例ではこのほか「残工期2カ月以上」の適用条件をクリアするため、単価改定日を基準日とみなす扱いも講じている。ただ、この初回特例を受けるには、通知を出した7日以降1カ月以内にスライド協議請求する必要がある。
 賃金変動により措置された今回のインフレスライド運用では、労務単価改定が行われる都度、次回改定までの期間内に一度、請求ができる。条件を満たせば、単価改定のたびに再スライドが受けられる。
 2月の単価改定では、本県の平均単価変動幅が3%にとどまった。インフレスライドでは、スライド額の算定は残工事分だけが対象になり、変動幅1%までは控除されるため、今回の改定でインフレスライドの適用をどれだけ受けられるかは微妙だが、今回対象外となった場合でも、次回の単価改定時には適用対象になるケースも出てくる。
 国土交通省では、被災3県での労務単価を、3カ月に一度程度のサイクルで見直していく方針でいる。
 残工事量の算定に当たっては、例えば基準日前に配置済みの現地据付型建設機械や仮設材料などは、出来形算入して残工事から除外する。スライド額の算定には、設計金額に対する契約額の割合(請負比率)も反映させる。
 スライドは全体、単品との間で選択、併用も可能で、例えばインフレスライドで請負代金額の変更をした後に、単品スライド条項に基づく再度の変更請求をすることもできる。
 スライド協議請求のための協議書は、県ホームページ上の入札監理課サイト「工事入札関係様式」から出力できる。