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建通新聞社(中部)
2012/03/12

【三重】「県の建設産業活性化プラン」がまとまる

 地域を支える建設業のあるべき姿の実現に向けた施策を盛り込む「三重県建設産業活性化プラン」がまとまり、8日に行われた県議会県土整備企業常任委員会で県が報告した。活性化を実現させるためのキーワード「技術力」「地域貢献」「経営力」の3項目の目標値や、2012年度から15年度までの4年間で県と建設業界が行う施策やスケジュールなどを示した。具体的には12年度から県が地域維持型契約方式の試行導入、建設業界が地域貢献活動の強化などに取り組む。同プランの策定では、11年度に有識者や三重県建設業協会などで組織する検討会議で協議し、2月に行われた検討会議で最終案が審議された。
 委員会では「疲弊する地域の建設業を育成するための施策だが、企業数など地域によって状況が違う。しっかり県が周知してリードする必要がある」「県内の資材調達について、他の発注機関では受けてくれない状況もある」などの質疑があり、県側は「技術力のある企業を各地域で育成できるよう、地域の実情にあった施策に取り組む」とした。
 同プランでは、建設業の活性化に向けた3つのキーワードの目標と実現するための8つの取り組みを示した。目標値をみると、「技術力」については、三重県発注工事の工事成績評定点の平均値を目標数値とし、10年度の81・8点を15年度に83・0点に引き上げる。「地域貢献」については、総合評価方式で、地域・社会貢献の取り組み実績がある企業が受注する割合を目標値とし、10年度の88・4%を15年度に95・0%とした。「経営力」については、売上高経常利益率(売上高別1億円以上企業の平均、以下同じ)を目標値とした。景気低迷により09年度の売上高経常利益率がマイナス0・66%と極端に落ち込み、その後、景気回復で上向きになったものの、他産業との格差も大きい。このため、将来的な目標をプラス2・0%とし、当面の目標として、10年度のマイナス0・18%を15年度にプラス0・2%とした。
 目標値を達成させるための施策として、技術力の面で、県側が施工実績・工事成績評定点による企業選定を行う。具体的には工事成績の対象期間の延長、工事成績評点の評価基準の階段方式の見直しを行い、12年度から実施する。このほか優良施工企業の活用(表彰制度の拡大)など。建設業界側は、スキルマップの作成および活用による教育研修体制の整備など。
 地域貢献では、県側が地域維持型契約方式の試行導入、地域貢献活動の適切な評価(総合評価方式で消防団活動協力を評価)、県内企業への優先発注、低入札対策の強化(低入札工事の評価見直しなど)など。建設業界は、消防団活動などの地域貢献活動の取り組み強化など。
 経営力では、県側が適切な積算による入札(発注者積算の諸条件を明確に示した発注者積算参考資料の公表など)。建設業界が原価管理の徹底による経費削減など。