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建通新聞社(東京)
2012/03/14

【東京】 都建設局現場で事故増加 前年同期比2件増

 東京都建設局発注の工事で事故が増加している。2011年度の発生件数はことし2月末までの累計で25件と、前年同期に比べ2件の増。このうち約7割は歩行者の転倒など第三者に被害が及ぶケースだった。このため、1〜3月を「工事事故撲滅運動推進月間」に位置付け、本局の安全パトロール人員を増やすなどの対応で、事故防止に向けた取り組みを強化している。
 11年度の工事事故の累計件数は、過去最多を記録した前年度を上回るペースで推移し、中でも9〜12月の4カ月は前年同期を10件前後上回った。1月以降の増え方は、急増を見せた前年度末ほどではないとは言え、いまだ事故が絶えない。
 事故のタイプは第三者事故が16件、請負者事故が7件。このうち全体の約7割を占める第三者事故で、特に多いのが「物損」(10件)や「歩行者の転倒」(6件)だ。
 歩行者の転倒の主な原因は、歩行者用通路の養生不足。通路に敷いたゴムマットが固定されていなかったため、歩行者がつまづくなどの被害が出ている。
 工事事故などの対策を担う技術管理課は「高齢者や子どもといった交通弱者の目線に立たなければ防ぐことはできない」として、請負者に危機管理の徹底を呼び掛けている。
 また請負者事故については、足場の接合部をカバーで覆わなかったため、作業員が腕などをこすって負傷するような「ささいな心配りで防げる事故」(前出同)だという。
 「工事事故撲滅運動推進月間」での取り組みを見ると、通常は2〜3人程度で回る本局の工事現場の安全パトロールを1班当たり5人まで増員。出先事務所も期間中に▽工事課の抜き打ちパトロール(東部公園緑地事務所)▽若手設計者等合同点検(南多摩西部建設事務所)▽各課による年度末点検(北多摩南部建設事務所)―などを展開している。
 同局では、これらを通じて11年度の年間工事事故件数を昨年度以下に抑えたい考えだ。