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建通新聞社(神奈川)
2012/03/14

【神奈川】得点差の最大は企業の技術的能力 

 神奈川県は、2011年度に総合評価方式を採用した工事系委託の評価項目の加点傾向についてまとめた。それによると、全体の約7割を占める特別簡易型で、落札者と参加者平均の得点の開きが最も大きかった項目は「企業の技術的能力」(業務成績の平均点など4項目・最高5点配点)だった。落札者が平均3・9点を獲得しているのに対し、平均得点は1・7点で、その差は2・2点(約2・3倍)だった。
 試行した24件のうち、不調や中止を除いた22件について分析した。その結果、有効入札者が1者だった1件を除く21件中、逆転落札は16件で全体の76%を占めた。入札価格が最も安く、技術点が1位の落札5件を含めると、落札者の全て(100%)が技術点1位だった。逆転落札16件のうち、逆転金額差の平均は3・4万だった。
 工事系委託の総合評価は、簡易型が@企業の技術力(業務実施方針+企業の技術的能力)A配置予定技術者の技術力(配置予定管理技術者の技術的能力+配置予定担当技術者の技術的能力)を評価し、最大17点を加点。特別簡易型は「企業の技術力」のうち、業務実施方針を除く客観的項目で評価し、最大12点を加点している。
 特別簡易型の得点状況を見ると、落札者と落札者の平均得点の開きが最も大きかったのが「企業の技術的能力」(同種業務実績、地域精通度、業務成績の平均点、ISО取得)で2・2点差。次いで「管理技術者の技術的能力」(取得資格、同種業務実績、業務成績点、持ち業務数)が1・4点差、「担当技術者の技術的能力」(取得資格、同種業務実績、手持ち業務数)が0・3点差だった。
 簡易型は「管理技術者の技術的能力」が1・2点差で最大。また、簡易型のみに求める「業務実施方針」(業務実施手順、地域特性の把握、業務計画の的確性、工程計画の妥当性)は、「地域特性の把握」が他の項目と比べて得点の差が大きかった。
 工事系委託の総合評価方式のタイプは、適用する業務の特性や難易度に応じて、参加者に業務実施方針などを求める「簡易型」と、それらを求めない「特別簡易型」の二つのタイプを設定。簡易型は、高度な知識や構想力や専門的な技術力、経験が必要な業務に適用。特別簡易型は、業務実施に当たって工夫の余地が少なく、参加者に業務実施方針を求めないケースに適用している。