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日刊建設工業新聞
2012/03/19

【鳥取】評価不明で検証できない技術提案点の公表に課題/県土整備部が試行の技術提案型総合評価

 県土整備部が試行する建設工事の技術提案型総合評価で、入札に参加した業者から評価項目の技術提案点数(20点)の内訳が分からないといった声が上がっている。開札状況からも落札を決定付けるウエートの大きい評価項目だけに、評価結果の詳細な公表が発注者に求められそうだ。
 技術提案点は、発注者が調達公告に示す三つの着目事項に沿って作成する「技術提案資料」を評価する。1項目3点満点で計9点満点の「技術審査点」がもとになる。技術提案点の算定は「20×それぞれの応札者の技術審査点÷最高点の者の技術審査点」。
 応札者が知りたいのは、公表される技術提案点よりもむしろ非公表の技術審査点の方だ。技術審査点は、発注者の技術系課長3人が当たり、着目事項ごとに0点〜3点の整数で付け、3人の平均点(小数点第3位未満切り捨て)を集計する。
 自社が提案した着目事項ごとの評価が不明なことに、県東部のA級業者は「検証もできず、次回(の入札)に生かせられない」と指摘する。
 落札を決めた会社にとっても、どの着目事項をどう評価されたのかが見えない。さらに、失格基準価格を下回った会社は技術提案点さえも非公表のままだ。
 また、算定上、応札者(失格者を除く)の中で最高点だった会社に対し、技術提案点に20点満点が付く仕組みとなっており、必ずしも技術審査点で9点満点を取ったとは言えない。ほとんどの場合0点はないものの、9点満点を取ることは難しいとされる。
 同部は「初めての試行なので、公表の方法を含めて検討材料にしたい」と説明。ただ、出先機関では情報開示請求があれば、評価結果の公表に応じるとしている。
 提案内容そのものの公表は問題があるが、技術力の向上を目指すには着目事項ごとの点数(審査員の平均点)の結果が欠かせない。主観が入り込む唯一の評価項目。発注者による丁寧な説明が課題として浮上している。
 16日現在で結果が分かった試行工事4件は次の通り。
▽寺林山砂防堰堤工事(小規模砂防)=南部町倭=土木一般B級▽県道河原インター線改良工事(8工区)(交付金改良)=八頭町上野=土木一般A級▽国道183号矢戸工区改良工事2工区(交付金交安)=日南町矢戸=土木一般A級▽県道国安桂木線(橋本1工区)舗装工事(交付金)=鳥取市美和=アスファルトA級。