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建通新聞社(中部)
2012/04/03

【岐阜】県 12年度の特別支援学校整備

 岐阜県が進めている特別支援教育推進計画「子どもかがやきプラン」による特別支援学校の整備で、県は12年度に「飛騨北部」と「飛騨南部校」について、13年4月の開校に向け工事発注に備えていく。また「岐阜希望が丘校」について5月にも設計者を確定させ建築実施設計を進めるほか、造成設計や地質調査なども実施する予定だ。当初予算には事業費13億9022万円を確保した。このほか「岐阜南部地域」の新学校についても羽島市地内に引き続き候補地の再選定を急ぐ計画だ。
 子どもかがやきプランは、地域の中で特別支援教育の核として特別支援学校を整備するとし、プラン策定時の12校から最終的に20校を充実させることなどを目標に掲げている。これまでに可茂校が11年度に開校するなど同プランに沿って順次整備が進められている。
 飛騨北部校では新設を計画。児童生徒数は30人を想定。普通教室9室、特別教室5室などで構成する校舎棟を新築し、体育館、バスヤードなどを整備する。計画規模は教室棟が鉄骨造2階建て延べ1760平方b程度、バスヤードが鉄骨造平屋55平方b程度、体育館が鉄骨造平屋392平方b程度。12年度事業費は7億1074万円。うち工事費は6億5000万円程度が見込まれ、校舎・体育館の整備が見込まれている。
 建設地は飛騨市古川町片原町8ノ35。学校名はこのほど公募で「飛騨吉城」に決定した。
 設計は設備も含め山田建築事務所(岐阜市)が担当している。
 飛騨南部校では、下呂市小川432ノ1の飛騨特別支援学校下呂分校を改修し、小中学部を開設する(高等部は09年度開校)。児童生徒数45人(12学級)を想定。普通教室12室、特別教室5室などで構成する校舎棟として既設建物を改修整備するほか、ジャグジープール、バスヤードなどを新築する。校舎棟の既設規模は鉄筋コンクリート造4階建て延べ2487平方b。全体事業費は6億3475万円。うち工事費は5億8000万円程度が見込まれ、校舎改修とプール工事が予定されている。
 設計は建築設計を企画設計室フクダ(飛騨市)、設備設計を岐阜建築設備計画(岐阜市)が担当。学校名はこのほど公募で「下呂校」に決定した。
 このほか岐阜希望が丘校については再整備を計画。県立希望が丘学園と一体的な整備を図る計画で、2012年度に基本・実施設計のほか、並行して計画地の造成設計なども実施する計画だ。設備も含めた建築設計は委託先を決めるため現在プロポーザル中で、5月中には設計者が特定される見通し。
 同校は79年に希望が丘学園に合築する形で設置された小・中学部で構成する学校で、既設の規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ2116平方b。現在児童生徒数は約55人(うち学園入所児約20人)。小学部から高等部までの一貫した教育や医療と連携した教育の充実を図ることにしている。
 計画地は隣接する伊奈波中学校跡地約2f。計画規模は特別支援学校部分が延べ約6800平方b(90人、小中学部棟、高等部棟、管理棟、体育館、ジャグジープール、バスヤード※体育館は2期事業として計画しているが、設計者選定のプロポーザル競技では、参加者に屋内運動場も含めた提案を求めている)。また、計画地内の校舎など中学校の既設建物については、岐阜市が12年度に解体撤去する。
 12年度事業費は4460万円。このうち基本・実施設計費には2300万円余りを当初予算に確保した上で13年度に5700万円の限度額を債務負担設定している。順調なら15年度の一部開校を目指している。
 一方、新設を計画している岐阜南部校については、当初計画していた羽島市北部の計画地用地取得で一部地権者から同意が得られなかったことから、同地での建設を断念していたが、現在、羽島市地内での候補地確保に向け調整が進められている。現プランでは16年度開校の目標。計画児童生徒数は小・中・高等部合わせて約120人。知的・肢体不自由、病弱対象の支援学校として整備を図ることにしている。
 当初予算には予算は未計上。候補地が確定すれば速やかに測試関連事業費を計上し、準備を進めていく計画だ。
 さらに県ではこのほか「高等学校特別支援学校」の新設も将来計画しており、こちらも当初予算に事業費は未計上だが、引き続き開校に向けて検討していくことにしている。同校は就職率100%を目指す専門学科校となる予定。これまでに継続して教育課程などの研究・学校の在り方の検討を教育委員会内で進めている。当初の見込みでは18年度までの開校を目指す計画だが詳細は未定。