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建通新聞社(中部)
2012/04/23

【愛知】名古屋市 学校を津波避難ビル指定に向け調査

 名古屋市教育委員会は、大地震に備え、港区・南区内で津波避難ビルに指定されていない小・中学校について、指定に向けて必要となる整備を実施するため、調査に着手した。調査業務は7月までの期間で委託している。工事や設計の費用は2012年度当初予算には計上していないが、できるだけ早い着手を望む声があることから、12年度内に補正予算を組んで発注する可能性もある。
 名古屋市では、東海・東南海地震に備え、津波から人命を守るため津波避難ビルの指定を進めている。津波避難ビルに指定するためには、耐震性を満たしているほか、鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造で、4階建て以上か、人が屋上に上がることができる3階建てでなければならない。
 今回行っている調査は、津波避難ビル指定等推進事業の対象区域となっている港区・南区内で津波避難ビルに指定されていない小・中学校について、屋上に避難できるようにするために必要な調査を行う。3件に分けて東邦建築コンサルタント(名古屋市昭和区)、本田建築設計事務所(名古屋市瑞穂区)、聖建築設計室(名古屋市中区)にそれぞれ業務を委託している。
 対象となっているのは、港区内で8校、南区内で12校の合計20校。いずれも3階建ての校舎で、屋上のフェンスや屋上に上がるための階段がないことなどから、現在は屋上に人が避難することができない。そのため、フェンスの取り付けや屋外階段の設置を実施する。
 調査では、屋上の強度確認、日影や斜線規制などの改修条件の整理、屋上の改修案の作成などを行う。
 20校のうち、フェンスの設置のみで済む学校は3校。その他の学校では屋外階段の設置が必要となる。屋外階段の設置は法的には増築扱いとなる。安全面や日当たりの観点から校舎南面への設置は難しい。その他の面は敷地の境界付近に位置していることが多く、設置箇所の選定が難しいケースもある。また、港区は軟弱地盤のため、基礎工事の際に深く掘る必要がある。
 フェンスの設置のみの場合は単年度事業。増築の場合は、設計に1年、工事に1年の2カ年事業となる。施工に当たっては、何校かを組み合わせて工区を設定し発注することになる見込みだ。
 対象となる学校は次の通り。
【港区】
 ▽西築地小(港区浜1ノ2ノ33)▽成章小(港区東土古町1ノ3)▽野跡小(港区野跡1ノ4ノ11)▽神宮寺小(港区神宮寺2ノ501)▽西福田小(港区西福田5ノ1601)▽福春小(港区春田野1ノ2901)▽東港中(港区港楽1ノ7ノ16)▽南陽中(港区春田野3ノ121)
【南区】
 ▽豊田小(南区豊田1ノ19ノ23)▽白水小(南区松下町2ノ1)▽大生小(南区西又兵エ町3ノ76)▽千鳥小(南区三吉町6ノ1)▽宝小(南区中割町2ノ5)▽柴田小(南区白水町19)▽伝馬小(南区豊2ノ38ノ9)▽星崎小(南区南野3ノ163)▽宝南小(南区堤起町3ノ48)▽本城中(南区鳥山町3ノ1)▽名南中(南区三吉町5ノ43)▽南光中(南区浜田町4ノ119)