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建通新聞社(静岡)
2012/05/02

【静岡】熱海市と焼津市が再開―12年度の地籍調査

 静岡市や浜松市など静岡県内の21市町と県森林組合連合会(県森連)が2012年度に実施する地籍調査の事業計画がまとまった。一筆ごとの土地の境界や面積などを明確にする調査を延べ14・86平方`にわたって行う方針で、各市町などが順次、調査業務を発注する。また、県では、下田市や東伊豆町など未着手の5市町での早期の事業化を促す考えだ。
 12年度に地籍調査を実施するのは、▽静岡市▽浜松市▽沼津市▽熱海市▽三島市▽富士宮市▽島田市▽富士市▽磐田市▽焼津市▽掛川市▽藤枝市▽御殿場市▽袋井市▽裾野市▽伊豆市▽伊豆の国市▽清水町▽小山町▽川根本町▽森町―の21市町と県森連。事業を休止していた熱海市と焼津市が調査を再開する一方、長泉町が休止する。
 各市町が市街地などを、県森連が山間部を対象にそれぞれ調査業務を発注する。12年度の県内の地籍調査費は、事業費ベースで前年度を12%上回る約4億1100万円。
 また、権利関係が複雑な街区などを対象に、道路など公有地と民有地の境界調査を国土交通省が直轄事業で行う「都市部官民境界基本調査」が、静岡市と沼津市、熱海市、富士市、伊豆の国市の5市で実施される予定。
 地籍調査は、一筆ごとの土地所有者や地番、地目を調べ、境界の位置や面積を測量し、その結果を地籍図と地籍簿にまとめる作業。土地の境界が明確になるため、土地売買などがしやすくなる。
 また、市街地再開発や災害復旧などの事業の際、地籍が確定していない土地が多く、事業着手前に地籍を確定するための調査に時間がかかっているが、こうした課題も解消するため、早期の事業完了が期待されている。
 しかし、市町が実施主体となる地籍調査は、人口の集中する都市部で分筆数が多く、筆数に応じて膨らむ予算や人員に対応できていないのが実情。
 県内でも、35市町のうち調査を完了しているのは菊川市や御前崎市など4市町だけ。▽下田市▽東伊豆町▽河津町▽南伊豆町▽松崎町―の5市町が事業に未着手。そのため、県内全域での11年度末の進捗率は面積ベースで22・7%(土地区画整理やほ場整備などで民間が作成した地図・簿冊で、大臣の指定を受けたものを含む)にとどまっている。
 災害からの復旧・復興やまちづくりの円滑な推進に地籍調査が大きな役割を果たすことから、県は引き続き各市町に調査の実施を働き掛けていく方針。
(2012/5/2)
建通新聞社 静岡支社