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建通新聞社(中部)
2012/05/09

【岐阜】農業水利施設を活用した小水力発電可能地調査の結果

 岐阜県農政部は、農業用水路やため池などの農業水利施設を活用した小水力発電可能地調査の結果を明らかにした。それによると、岐阜県内の市町村や土地改良区からの聞き取りや農村振興GISによりピックアップした108箇所の候補地のうち33箇所で小水力発電の可能性があるとした。2012年度はこのうち中津川市加子母小郷地区で工事着手するほか、郡上郡石徹白地区と中津川市西山地区で基本設計を実施する。
  今回の発電可能地の選定にあたっては、@通年通水に対応できる農業水利施設であることA流量、落差から算出した発電力が1`h以上見込める―との選定基準を設け、県内14市町村で33箇所が選定された。これら33箇所での合計発電出力は最大約2300`h、一般家庭約1600世帯分に相当するが、全ての箇所で小水力発電を整備するかは未定だ。発電した電気は中部電力に売電し、農業用施設の電気代や維持管理費に充てることを想定。現時点では15年度までに県内3箇所での整備を目標としている。
  中津川市加子母小郷地区の「小郷用水」では12〜13年度の2カ年継続で管路や発電施設、建屋などの施設整備を行い、14年度に供用開始する計画。また、12年度に基本設計を行う郡上市白鳥町石徹白地内の石徹白地区の「1号用水」と中津川市駒場西山地内の西山地区の「付知川右岸用水」についてはそれぞれ郡上農林事務所と恵那農林事務所から基本設計業務が発注される予定で、13年度に実施設計、14年度以降に整備工事を行う計画だ。
  12年度にはこのほかにも9箇所で概略計画に着手する予定だが、現時点では揖斐郡池田町の「宮地用水」と揖斐郡揖斐川町の「飛鳥川用水」、高山市荘川町の「中央用水」での実施が決まっているが、残り6箇所は地元市町村や土地改良区との調整を進めている段階で、現時点では未定となっている。
  今回選定された33箇所の小水力発電可能地のうち、出力100`h超が見込めるのは「日面用水」(郡上市白鳥町阿多岐)、「保古ノ湖」(恵那市東野)、「小郷用水」(中津川市加子母)、「付知川右岸用水」(中津川市駒場西山)の4箇所、50〜99`hは「上野用水」(高山市丹生川町)、「1号用水」(郡上市白鳥町石徹白)、「三川原用水」(飛騨市宮川町三川原)の3箇所。20〜49`hは、「各務用水」(関市小屋名)、「宮地用水」(揖斐郡池田町宮地)、「飛鳥川用水」(揖斐郡揖斐川町北方)、「池ケ平用水」(郡上市白鳥町前谷 )、「東山用水」(郡上市白鳥町千田野)、「2号用水」(郡上市白鳥町石徹白)、「木曽川右岸用水」(美濃加茂市古井町下古井)、「萩原小坂連合用水」(下呂市小坂町坂下)、「「萩原中央用水」(下呂市萩原町花池)、「中央用水」(高山市荘川町)の10箇所。このほかに10〜19`hが9箇所、10`h未満が7箇所ある。
  農業水利施設を活用した小水力発電可能地調査はNPO法人地域再生機構が担当して11年度に実施した。