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建通新聞社(中部)
2012/05/23

【愛知】東海農政局 12年度から小水力発電の導入調査

 農林水産省東海農政局は、管内の国営造成施設を対象とした、小水力発電施設の導入可能性の検討調査を2012年度から開始する。12年度は西濃用水と羽布ダムを対象に調査を委託する予定。業務の委託時期は現在調整しており、早くても第2四半期となる見通し。調査の結果、発電事業が有望な場合は、13年度以降に発電施設の設置設計に入る。
 調査対象となるのは、西濃用水(岐阜県南西部)と羽布ダム(豊田市)の2カ所。西濃用水は、流水量の多い分水工部分で発電施設の設置を想定している。羽布ダムは水の落差が大きい放流部で検討する。調査では、設置・維持コストと発電量を比較し、経済性を中心に事業化の可否を判断する予定。
 調査では、さまざまな規模の発電施設を想定して経済性を検討する。一般的には、小水力発電施設は1000`h前後が中心となっている。
 発電した電力は、既存農業水利施設の管理・運営に利用する方針。発電施設の設置事業は、可能な限り、水路・ダムなどの機能保全(長寿命化)事業などの既存事業に組み込んで進めていく。
 同局は13年度以降も、管内の未利用落差などを対象に、発電事業の導入可能性を検討する。同局が管理する国営造成施設は、水路267`、ダムなどの施設13カ所となっている。
 環境省が10年度に取りまとめた再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査によると、東海農政局管内の農業水利施設は、理論値として11万`h程度を発電できるという。内訳は、愛知県内が7・8万`h、岐阜県が2・7万`h、三重県が0・5万`h。特に愛知県は、水力発電の理論的な資源量が全国(32・5万`h)の4分の1近くを占めており、都道府県で最大となっている。
 東海3県内での導入事例としては、水資源機構愛知用水が整備した東郷発電所がある。最大出力は1000`hで、05年に供用を開始した。このほか、岐阜県が、中津川市加子母小郷地区で発電施設の整備を計画している。