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建通新聞社(静岡)
2012/06/27

【静岡】SPC検討へ―農業水利施設への小水力発電導入で

「静岡県農業水利用施設を活用した小水力等利用推進協議会」のワーキンググループが26日、県庁内で開かれ、「小水力発電などの特定目的会社(SPC)の設立」と「マイクロ水力発電を活用した地域づくり」の二つのプロジェクトの検討を決めた。SPCについては、今後の活動内容の検討を含めたプロジェクト参加企業の申し込みの受け付けを7月中旬にも開始する。
 SPCの設立は、協議会の賛助会員である鈴与コンストラクションホールディングス(静岡市清水区)が提案した。
 小水力発電の推進・実行機関(事業体)として、協議会に参加している地元企業と、小水力発電などで先進的な技術を持つ県外企業などが連携してSPCを設立。売電だけでなく、@小水力発電事業に関する地元企業のノウハウ蓄積による企業力の強化ASPCと農業水利施設などを管理する施設管理者との利益の共有B静岡県内の緊急時対策も視野に入れた小水力発電などの展開―を目的とする。
 7月に始まる固定価格買取制度を有効に活用するためには、事業化の可能性の判断からできるだけ早い時期に具体化することが重要になる。そこで、事業化の可能性の高い箇所が把握できた段階から、小水力発電施設の概略検討や事業性評価、許認可申請、事業計画の策定、発電施設の建設・管理・運営などを担うSPCの検討・設立を進める。
 これに向け、7月中旬にプロジェクト参加企業の申し込み手続きを開始し、同月下旬にプロジェクトの初会合を開催。9月に小水力発電などの候補地の調査を実施し、12年度末までに候補地調査の結果と、土地改良区との連携の在り方などを含めたSPC導入スキーム(枠組み)案をまとめる。
 一方、マイクロ水力発電を活用した地域づくりは、協議会の会員アンケート結果で複数の意見があったことを受けて検討する。
 マイクロ水力発電などで発電した電力を、防災・減災用として、緊急避難場所や防犯灯・街路灯、井戸水くみ上げ用ポンプに供給することや、観光用に観光案内版や街路灯などに利用したり、発電施設自体を地域のシンボルとすることを検討する。
 事業主体については、市町や土地改良区のほか、民間が考えられている。今後、農業用水路沿線の緊急雛場所や観光地などを机上でチェックし、有望な箇所を現地調査。関係者間の協議を行って、地域住民や企業、施設管理者、行政など関係者それぞれにメリットのある仕組みの構築を検討する。
(2012/6/27)

建通新聞社 静岡支社