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建通新聞社(静岡)
2012/07/20

【静岡】江間ICフル化や各種防災対策など提案―伊豆地域の道路整備のあり方案まとまる

 「伊豆地域の道路整備のあり方検討会」(委員長・兵藤哲朗東京海洋大学教授)が検討してきた、今後の伊豆地域の道路整備の在り方についての案がまとまった。具体的な対応方針として、伊豆縦貫自動車道の整備促進を国に強く働き掛けることや、江間インターチェンジ(IC)のフルIC化による交差点改良、事前通行規制区間の解消や橋梁耐震対策など各種防災対策の実施、橋梁や舗装などの長寿命化を求める内容。検討会を設置した静岡県が県民意見の募集・反映手続きを行った上で、成案を策定する。
 同検討会では、伊豆地域の道路の現状について、▽道路整備の遅れ▽自然災害に対する脆弱(ぜいじゃく)さ▽大規模災害に対する備えの不足▽慢性的な渋滞▽高次医療施設への低いアクセス性▽道路予算の縮小と道路管理費の増大―を課題として提示。
 効率的に道路ネットワークを構築するための実施方針として、@伊豆縦貫自動車道の早期整備A利用しやすい伊豆縦貫自動車道の実現B地域内道路ネットワークの早期整備C効率的な道路管理―の4点を掲げた。
 伊豆縦貫道の早期整備では、伊豆縦貫道を構成する東駿河湾環状道路や天城北道路、河津下田道路の整備促進に向け、必要な予算の確保を国に働き掛けるよう求めるとともに、国道136号天城湯ケ島IC連絡路などアクセス道路との円滑な連結を推進すべきとした。
 利便性の向上として、伊豆縦貫道で唯一残る平面交差(信号交差点)の江間ICのフル化による交差点改良・信号機撤去、伊豆中央道と修善寺道路の建設借入金償還計画の見直し(合併採算制の導入による無料化時期の前倒しと、無料化時期の設定に影響しない範囲での追加投資による渋滞解消や通過交通の生活道路への流入防止)を提案。
 地域内道路ネットワークの整備で、各種防災対策の実施や、仁科峠宇久須線など山間部で拡幅が難しい箇所や2車線を必要としない交通量の少ない箇所での「1・5車線的」道路整備を求めている。
 道路管理については、ITSの活用、橋梁や舗装の長寿命化など戦略的な維持管理手法(アセットマネジメント)の導入、地域住民の協力による維持管理などを求める。
 さらに、中長期を見据えた整備見通しの確立が必要とし、伊豆縦貫道の事業区間と、その事業区間と沿岸部を結ぶ地域内道路ネットワークの整備、事前通行規制区間の防災対策、緊急輸送路の橋梁耐震対策をおおむね10年以内に完了するよう提言。その後の10年間で、急斜面や山間地など施工の難易度が高い区間でのバイパスや拡幅整備を完了させ、半島内のミッシングリンクの解消や、地域間を結ぶ複数路線の確保に取り組むべきだとしている。
(2012/7/20)
建通新聞社 静岡支社