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建通新聞社(中部)
2012/07/30

【愛知】東海農政局 ダムの防災対策に向け評価委を新設

 農林水産省東海農政局は、国が整備した農業用ダムの地震対策と長寿命化に向けて、新たにダム安全評価技術検討委員会を設置する。今後、土地改良技術事務所から第3四半期に国営造成農業用ダム安全評価検討業務を発注し、会の運営や委員の選任などの委託業者を選定する。2012年度末までに第1回検討会を開催する予定。
 農林水産省は東日本大震災の発生を受けて、国営ダムの安全性を検証する方針を打ち出している。検討委員会では、今後5年間程度をかけて、同局管内にある国営ダムの安全性を評価する。12年度は評価基準の検討に向けて、基本方針の確立までこぎつけたいとしている。
 対象となるダムは同局管内に5カ所(羽布ダム、安濃ダム、斎宮調整池、琴沢調整池、八幡調整池)ある。当面は、規模が大きな羽布ダム・安濃ダム・斎宮調整池について検討を進める見通し。
 羽布ダムの所在地は愛知県豊田市で、矢作川用水地区内に位置している。ダム形式は重力式コンクリートダムで、総貯水容量は1936万3000立方b。本体の完成年度は1962年。
 安濃ダムは三重県津市内で、中勢用水地区にある。形式は重力式コンクリートダムで、総貯水容量は1050万立方b。完成年度は86年。
 琴沢調整池は、愛知県幸田町内で、矢作川総合二期地区内にある。容量7万4000立方bのロックフィルダムで、81年に完成した。
 八幡調整池は愛知県西尾市内で、矢作川総合二期地区にある。容量6万6000立方bのロックフィルダムで、86年に完成した。
 斎宮調整池は三重県玉城町内で、宮川用水二期地区にある。アースダムで総貯水容量は200万2000立方b。五つのダムの中で最も新しく、完成年度は2010年。
 安全性の評価が完了後、改修が必要になった場合は順次整備を進める。同局では矢作川総合二期地区や中勢用水地区などを対象に、水路を含めた農業水利施設の耐震化・長寿命化を計画しており、ダムを改修する場合は既存事業との調整が必要になると見られる。

提供:建通新聞社