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建通新聞社(静岡)
2012/08/06

【静岡】需要と供給の事業体モデル検討へ―分散型エネ推進協が発足

 天然ガスコージェネレーションシステムで発電した電力を地域内で有効利用するための具体策の検討が始まった。富士・富士宮地域の企業やエネルギー供給事業者、行政、金融機関などで組織する静岡県の「分散型エネルギーシステム推進協議会」(会長・伊藤秀治静岡県理事)が発足し、3日、初会合を開催。同地域でPPS(特定規模電気事業者)事業体を構築するためのモデルの枠組み案を2012年度中に固めることを確認した。法的規制の緩和などで総合特区の申請も視野に入れる。
 この協議会は、11年度に設置された分散型エネルギーシステム活用研究会がベース。研究会では、既存の天然ガスコージェネレーション(コジェネ)や自家発電設備などと、新規のコジェネや高効率火力発電所、太陽光・中小水力発電などの設置により発生する電力や熱を、地域の需要家に供給する将来像を提示。電力融通のモデル案として、一定の地域内で、発電能力(設備)を持つ企業と、電力を必要とする需要家が地域PPS事業体を構築し、電力を融通する「系統電力ネットワーク利用」を提案した。
 しかし、研究会のメンバー企業が12年度に開始した、余剰電力を売電するモデル事業では、「余剰電力の需要家への売電価格が高い」「設備の増強には巨額の費用が必要で、15〜20年の償却期間に確実に電力を買い取ってもらう仕組みが必要」などが課題に挙がっている。
 そこで推進協議会では、まず作業部会で、富士・富士宮地域での発電能力や余剰電力、コジェネ導入見込み、電力需要などを検証。次に、PPS事業体構想として、中長期的エネルギー市場の見通しや競争力のある電力販売単価の試算、その価格を実現するための枠組み、構想実現にネックとなる法的規制などを抽出・検証し、最終的にPPS事業体のモデル枠組み案をまとめる。法的規制の緩和や補助制度などの実現のため、総合特区の申請も視野に入れる。
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(2012/8/6)
建通新聞社 静岡支社