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建通新聞社(静岡)
2012/08/09

【静岡】第4次想定踏まえた施設高や防御方式の検討開始へ―静岡県

 静岡県は、現在策定中の第4次地震被害想定で設定する津波に関連し、必要な施設高の設定や、海岸・港湾・漁港・河川での最適な防御方式の検討を開始する。これに向け、公募型プロポーザル手続きを進めていた海岸・港湾・漁港・河川施設による津波防御の在り方検討業務委託のうち、「構造検討」の委託先を日本工営静岡事務所(静岡市葵区)、「津波挙動解析」を建設技術研究所静岡事務所(静岡市葵区)に特定した。納期はいずれも2013年3月15日。
 今回の業務では、県の第4次地震被害想定策定会議が設定する施設計画上の津波を対象に、海岸保全施設と港湾・漁港管理施設、河川管理施設の津波防御の在り方を検討する。
 構造検討では、▽河川の津波遡上(そじょう)解析▽防御方式の選定▽粘り強い海岸堤防の構造―の大きく三つの検討を行う。
 まず、河川の遡上域を最少5bメッシュでシミュレーションし、海岸堤防で津波の浸入を防止することを念頭に、最大の浸水範囲や浸水深、到達時間など施設効果を推計するとともに、津波を防御する河川堤防高を算定する。
 その上で、海岸・港湾・漁港・河川ごとに水門案や堤防嵩上げ案などの概算事業費を試算し、地区ごとの特性や整備コストを踏まえて総合的な評価を実施。それぞれに最も適した対策とその事業費を試算する。
 並行して、粘り強い海岸堤防構造を提案し、海岸、港湾・漁港、河川ごとの標準断面形状を設定する。
 一方、津波挙動解析では、▽沿岸部の津波挙動解析(把握)▽地域海岸の海岸堤防高の設定▽減▽効果の検証―を実施する。
 津波挙動解析として、最少5bメッシュの地形モデル(シミュレーションモデル)を構築し、施設が現在のままのケースと、海岸堤防などで津波の浸水を防止するケースで、最大の浸水範囲や浸水深、津波到達時間の推計、せり上がりを考慮した津波を防御する海岸堤防高を算出。
 この堤防高に、一定の余裕高を加えた高さを海岸、港湾・漁港ごとに整理し、今後整備すべき堤防高を設定する。
 これに合わせ、想定される最大クラスの津波(L2)が到来した場合の、施設による減災効果を検証する。
 県ではこの結果を基に、津波防御施設の整備の方向や概算事業費などをまとめていく。
(2012/8/8)建通新聞社 静岡支社