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北海道建設新聞社
2012/08/30

【北海道】地下鉄南北線に回生電力貯蔵装置を2カ所設置へ−3億円投じ 

 札幌市交通局は、省エネ対策の一環で、地下鉄南北線の変電所2カ所に蓄電池式の回生電力貯蔵装置を新設する。事業費に約3億円を見込み、9月中旬にも制限付き一般競争で公告する予定だ。2013年夏ごろの供用開始を目指す。
 車両がブレーキをかけた際に、減速中のモーターを発電機として発生させる「回生電力」は、既に省エネ対策として付近を走行する車両や駅舎で活用されている。
 発生した電力は車両から架線を通じて回収し、南北線の澄川、幌北両変電所に設置された回生インバーター装置によって直流電流を交流に変換し、駅舎などの電力に使用。1駅区間程度以内の距離に走行車両がある場合は、直流のままその車両の動力となる。
 しかしこの方式だと蓄電ができないため、朝、夕のラッシュ時以外はかなりの電力が無駄になっているのが実情だ。
 そこで、南北線の鉄北変電所と中の島変電所に導入するのが、蓄電池式の回生電力貯蔵装置。従来通り直流架線を通じて変電所まで流れてきた回生電力を貯蔵するもので、必要に応じて電力を取り出せるため無駄を省けるほか、直流と交流の間で変換する必要がない分、充電開始電圧を低く設定できるなどのメリットが生まれる。
 蓄電池の容量は700`h分を想定。実施設計は既に内部で完了している。事業費には約3億円を試算。このうち3分の1は、一般社団法人環境共創イニシアチブのエネルギー使用合理化事業者支援事業の補助採択を受ける。工事は来年夏までを予定している。