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建通新聞社(静岡)
2012/08/31

【静岡】設計2件の委託先を三祐コンサルに―農業用水への小水力発電設置で静岡県

 静岡県は、公募型簡易プロポーザル手続きを進めていた「平成24年度地域用水環境整備新エネ大井川右岸地区測量設計委託その1」と「平成24年度地域用水環境整備新エネ大井川右岸地区測量設計委託その2」で、委託先をいずれも三祐コンサルタンツ(藤枝市)に特定した。大井川用水菊川幹線(農業用水利施設)への小水力発電施設の設置に向けた設計業務で、近日中に契約を締結、2012年度末までにまとめる。13年度に着工する方針だ。
 「その1業務」で大井川用水菊川幹線のうち掛川市伊達方地内に設置する小水力発電施設を、「その2業務」で同じく菊川市西方地内に設置する小水力発電施設の設計を行う。
 路線測量や用地測量・調査、現地踏査、水理計算や構造計算・安定計算などを行った上で、水路構造物(取水施設、導水路、余水路など)や付帯設備の設計をまとめる。納期はともに13年2月28日。
 設計者選定のためのプロポーザル手続きでは、「その1業務」に2者、「その2業務」に3者が技術提案書を提出。配置予定技術者の経験・能力や業務の実施方針、評価テーマに対する技術提案などを総合的に評価し、2件とも最も高い技術評価点を得た三祐コンサルタンツを委託先に決めた。
 小水力発電は近年、低落差・小水量でも可能な技術開発が進み、設置コストも安くなりつつある。そこで県は、農業用水を活用した小水力発電の導入を積極的に促すことで、施設の維持管理費を軽減するとともに、再生可能エネルギーの安定供給や新たな産業の創出を目指す方向を打ち出した。
 設備の導入に当たっては、川勝平太知事が県議会6月定例会で、「用水路の構造を大きく変更せずに任意の場所に設置しやすい流水利用型への移行を図っていく」との方針を示している。
 農業水利施設を利用した小水力発電では、用水路に設置されている落差工を利用する落差利用型発電の他、用水路の水の流れを利用する流水利用型発電がある。
 落差利用型では、一定規模の落差がないと事業化が難しく、落差を設けるための側水路の建設などが必要になる。これに対し、流水利用型は、既存の用水路を改修することなく、容易に設置が可能で、導入費用やメンテナンス費用が安価であることが特徴。
(2012/8/31)
建通新聞社 静岡支社