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建通新聞社
2012/08/31

【大阪】大阪府・大阪市の水道事業統合検討 柴島浄水場の廃止に関するケーススタディ 土地売却価格は最大で330億円 撤去費用も219億円

大阪府・大阪市の水道事業統合検討プロジェクトチーム(大阪広域水道企業団・大阪市水道局)は、柴島浄水場の廃止に関するケーススタディをまとめた。土地売却価格は最大で330億円に上るが、撤去費用も219億円と膨大になると試算。また、全面廃止では柴島配水場に対し、庭窪浄水場と城東配水場からの送水ルートを確保する必要が生じ、一部廃止でも城東配水場系の配水管を拡大する必要があるとしている。
 柴島浄水場(大阪市東淀川区柴島1ノ3ノ14ほか)には、浄水施設として、上系(2系統、67万d/日)、下系(2系統、51万d/日)がある。ケーススタディでは、▽上系・下系ともに廃止するAケース▽上系のみを廃止するBケース▽下系のみを廃止するCケース−の3ケースを想定した。
 土地売却と撤去費用の概算は、上系が売却面積約9・5fで土地価格約160億円、撤去費約117億円。下系が売却面積約9・3fで土地価格約130億円(上水から工水への売却分約10億円を含む)、撤去費約78億円。取水施設が売却面積約2・4f、土地価格約40億円、撤去費約24億円。
 廃止に伴う既存施設の整備は、城東配水場系の配水管拡大や送水管整備を含む、送・配水ネットワークの再構築が必要。再構築の事業費は、ケースAで533億円、ケースBで202億円、ケースCで249億円と概算する。
 想定スケジュールは、ケースAでは2022年度までに送・配水ネットワークの再構築を行い、浄水場を廃止。25年度までに不要となる施設を撤去し、土地売却を行う。ケースBでは21年度までに送・配水ネットワークの再構築を行い、上系を廃止。23年度までに不要となる施設を撤去し、土地売却を行う。ケースCでは21年度まで送・配水ネットワークの再構築を行い、下系を廃止。23年度までに不要となる施設を撤去し、土地売却を行う。
 柴島浄水場について橋下徹市長は、梅田などの大阪都心部に近い立地を生かして、“まちづくり”に活用する方針を示している。