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建通新聞社(静岡)
2012/10/01

【静岡】鉄道交差部の構造検討を開始―沼川新放水路で静岡県

 静岡県は、沼川新放水路の建設に伴う鉄道交差部の比較検討業務をジェイアール東海コンサルタンツ静岡営業所に委託した。JR東海道線と放水路の交差部で、鉄道をアンダーパスする部分の施工法を比較検討し、最適な工法を絞り込んで概略設計をまとめるとともに、踏切の移設や県道の切り回しなどの概略を検討する。納期は2013年3月15日。担当は県沼津土木事務所。
 「一級河川沼川広域河川改修事業(水の安全・安心)に伴う設計業務(鉄道交差部比較検討)」として委託した業務では、まず、軌道の状況や周辺環境、工事用搬入路などを調査。現地の状況を踏まえて施工可能な工法を検討し、JRとの協議を進めながら3案程度に絞り込んだ上で、工期や工事費、施工性などを比較して最適案を選定。これを基に軌道下に配置する放水路(構造物)の概略設計をまとめる。
 さらに、新放水路と東海道線との計画交差位置(沼津市今沢地先)に、県道東柏原沼津線と鉄道が交差する「原踏切」があるため、施工中の鉄道と道路交通の安全を確保できるような踏切の適切な位置と県道の切り回しを検討する。
 業務委託に当たり実施した総合評価落札方式の制限付き一般競争入札 には2者が応札。1者が無効となったため、ジェイアール東海コンサルタンツが1071万9000円で落札した。
 県が12年度に新規事業化した沼川新放水路は、高橋川から沼川を経て駿河湾(沼津市青野〜大塚)に至る延長約2300b。JR東海道線以北を開水路、JR東海道線以南をボックスカルバート(トンネル)で構築する計画。
 東海道線以北の開水路区間では、用地買収を進めながら、築堤や護岸などの河川整備を行う。これまでに、JR東海道線から国道1号までの区間の用地買収を完了。開水路(掘割)部を暫定掘削し、1万5000立方bの暫定調整池として活用している。総事業費を50億円程度と試算している。
 一方、東海道線以南のボックスカルバート区間では、高さ5b、幅10b程度のボックスを横に二つ並べる形でトンネルを構築。関連設備として、吐口部や開口部(ゲート)、国道1号の橋梁化、分流施設などを整備する。現段階で想定する事業費は約200億円。
 県は12年度、地質調査や、ボックス区間の構造などを固めるための実施・構造設計に着手。並行して用地調査やJRとの協議、JR東海道線以南の用地買収を開始することとしている。
(2012/10/1)

建通新聞社 静岡支社