トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2012/10/23

【愛媛】県の橋梁長寿命化 応用地質で計画策定進む

 愛媛県は、今後増大する道路橋の老朽化に対応するため、橋梁長寿命化修繕計画の策定を応用地質(松山市)に委託、2013年3月25日までの納期で進めている。
 今回の業務は11年度までに策定した橋梁長寿命化修繕計画に12年度に実施した二巡目の点検結果を反映させた修繕計画を策定するもので、565橋が対象。50年間の長期計画と10年間の長寿命化修繕計画の2つのステップにより修繕計画を検討するほか、前回の点検結果と今回の点検結果について損傷の推移などを検証する。さらに、前回の点検後に補修を実施した橋梁について、対策工法の妥当性などを検討し、今後の補修工法などを決める基礎資料とする。
 今後50年間の長期計画の策定では、橋梁ごとの最適修繕計画の検討として、鋼橋塗装や鋼橋RC床版、PC桁、RC桁といった機能低下の進行が予測できる部材の損傷度に応じた修繕工法(単価)を設定。ライフサイクルコストが最も安価となる最適補修時期などを決定した上で、橋梁を規模などに応じてグループ分けし、財政状況を踏まえ予算の平準化(予算シミュレーション)を検討する。また、今後10年間の修繕計画策定では、長期計画(今後50年)策定により決めた長期計画シナリオを基に修繕計画を策定する。
 県が11年度までに実施した2740橋の橋梁点検をみると、「損傷なし」と「修繕の必要なし」が計38%、「予防的な計画的修繕が必要」が40%、「安全性の観点から修繕が必要」が7%、「速やかな修繕が必要」が14%となっている。対策として12年度は155橋の修繕を実施するとして、頂谷橋(四国中央市)、川来須橋(西条市)、蒼社橋(今治市)、河原橋(松山市)、朝霧橋(久万高原町)、松ヶ花橋(大洲市)、大久大橋(伊方町)、狩浜第1橋(西予市)、千歳橋(松野町)、北橋(愛南町)などの工事・設計を順次進めている。
 県によると、修繕計画に沿って予防的な修繕の実施を徹底し、大規模修繕や架け替えを回避することで維持経費を抑制。全管理橋梁2740橋について今後50年間、従来の事後的管理手法では1562億円かかると見込まれていたものが275億円で済み、率にして82%、金額では1287億円の縮減効果があるという。
 県は今後、5年ごとの定期点検を継続的に実施しながら予防保全型管理へ移行。緊急性が高い橋梁に優先的に対応するほか、計画的な修繕が必要な橋について、健全度が低下しないよう予防的な修繕工事に本格的に着手する。