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建通新聞社
2012/10/24

【大阪】元精華小学校・精華幼稚園売却 16年度までに提案競技で売却 まちの活性化に

 大阪ミナミの中心にある「元精華小学校・精華幼稚園」の処分問題が注目されている。大阪市は、2016年度までに提案競技方式で売却する方針。地元や建築業界からは、まちづくりへの活用、建物の保存に関する要望が出されており、今後、地域住民などで構成する精華小学校跡地活性化協議会との協議で、売却方法や条件などを詰めていく。
 元精華小学校・精華幼稚園の所在地は、大阪市中央区難波3ノ2ノ26。ミナミの繁華街、高島屋の北側に位置する。敷地面積は4566平方b。
 建物は1929年の完成。戦前の鉄筋コンクリート造の小学校では、大阪市内に唯一残っている建物(鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て)。設計は国登録文化財の設計などの作品もある増田清氏。地域の寄付金で建設された。生徒の減少により、95年に廃校(南小学校に統合)。その後、体育館は精華小劇場、校舎は生涯学習ルームとして活用されたが、2011年3月末で閉館している。
 跡地は、大阪市土地流動化委員会で「活用見込みがなく、当該地の有効活用や税外収入確保に資するため処分を検討することが適当」と判断され、16年度までに売却の方向となった。
 市は、精華小学校跡地活性化協議会と処分についての協議を進めている。活性化協議会からは、@地域会館施設整備のための用地の無償貸し付けA跡地における地元意見の尊重−などを要望。また、日本建築家協会(JIA)近畿支部が保存活動を展開するなど、建築界からの注目度も高い。これらの内容を踏まえた上で処分方法や事業計画を検討する。
 市は、「早期に売却し、民間活力を導入することで地域の活性化につなげたい」としており、地域住民の交流や防災対策などに活用できる土地の確保、性風俗産業などの入札参加への規制を検討。入札方法は、事業者からの提案を審査委員会で審査した後に価格競争により相手方を決定する事業審査型審査委員会方式の採用を検討。入札条件として建物の特徴的な細部意匠を踏襲して活用することなども視野に入れている。