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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/11/12

【群馬】年内中にも初会合−ストックマネジメント事業

 県農村整備課が農業水利施設の保全対策手法の1つとして進めているストックマネジメント事業に対し、工事や調査設計に関する課題解決に向けた『ストックマネジメント事業検討会』を設置したことが分かった。初会合の日程は決まっていないものの、年内中には開きたい考え。同課は通年で3〜4回程度の開催を見込んでいる。すでにストックマネジメント事業の大枠に対する検討会(農業水利施設保全対策検討会)は設置されているものの、今回は実際に積算業務などを手がける担当者レベルの検討会であるため、受発注者間が抱える直接的な課題解決に向け、設置の意義は非常に大きいものとなりそうだ。検討会の構成員は各農業事務所農村整備課のほか、群馬県土地改良事業団体連合会の職員も加わる予定で、主宰は本庁の農村整備課技術調査係長が務める。

 ストックマネジメント事業は農業水利施設の長寿命化を図り、ライフサイクルコストの低減と財政負担の平準化を目的とした有効手段の1つ。
 県内にある農業水利施設のほとんどが昭和30〜50年代に造成され、基幹的な施設は国、県、市町村、土地改良区の所管を含めて水路がL約700q、ダム・頭首工などが110カ所に及ぶ。
 このうち、県が実施する県営造成施設の保全対策については2009年度から13年度までの5カ年で機能保全計画を策定し、これに基づいて10年度から保全対策工事を順次進めているところ。
 昨年度末までに機能保全計画は33地区のうち22地区が策定済みで、保全対策工事は7地区に着手している。
 ただ、ストックマネジメント事業を進めるにあたってはさまざまな課題があることも事実。先だってストックマネジメント事業の対象施設を多数所管する県中部農業事務所農村整備課では本年3月、発注者のほか、設計および工事の受注者も加えたストックマネジメント事業に関する意見交換会を実施したところ。
 他地区でも同様の課題を有するため、これからの保全対策工事の本格化を前に工事や調査設計で直面している課題の解決に向けて横断的な担当者レベルの検討会を立ち上げることとした。
 初会合に向け、各農業事務所農村整備課からは現在抱える課題がすでに本庁の農村整備課へ提出済み。それによると『同じ工法なのに、地区によって施工歩掛が異なっていることがあり苦慮することがある』や『水路などのコンクリート構造部の補修工法の選定がコンサルやメーカーの代理店によって決まる傾向が強く、同じような規模・構造でもコンサルが変わると補修工法も変わるので、本当の意味での工法選定になっていない』などが出されているという。こういった課題の解決に向け、設計や工事の受注者側も今後検討会のメンバーに加わることもありそうで、最終的には積算や工法、管理基準、仕様などを事務所ごとで判断できる程度の統一化を図りたい考え。