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日本工業経済新聞社(群馬)
2012/11/15

【群馬】改築も視野に検討−前橋工科大学の耐震

 前橋市は、前橋工科大学にある各施設のうち旧耐震基準で建設の実験棟、2号館、図書館の耐震補強を検討しているが、場合によっては今後改築も視野に入れて整備の方向性を協議していくことが分かった。これら3施設は、1970年代に横一列並びの配置で整備され、いずれも竣工から40年近くが経過し老朽化が著しい。現在の施設利用状況や配置なども踏まえて耐震補強、あるいは、改築を検討していくこととなった。本年度に行う実験棟の耐震診断は田中設計(前橋市)が担当し、2号館は2010年度に共同設計(前橋市)、図書館は09年度にイノ設計(前橋市)がそれぞれ担当した。

 前橋工科大学が検討している実験棟・2号館・図書館の耐震補強などは、本年度に行う実験棟の耐震診断の結果が出たのちに協議を開始する。
 実験棟の耐震診断業務には、補強工事に要する概算事業費なども含まれているため、その事業費や施設の耐震補強箇所、費用対効果などを踏まえて検討が進められていくと見られる。なお、同2棟では改築の可能性もあるが現段階では構想の段階で、図書館は耐震補強の実施が濃厚。大学側は「財政が厳しいため使える施設は使う。今回の診断結果で、どの程度の工事費が必要なのかを把握し検討を行っていきたい」と話しており、財政面との調整など計画的に優先順位を付けて対応していく考え。
 実験棟と2号館を改築する場合、多くの課題解決を要することとなる。まず財源確保の課題があるほか、改築の際は授業への影響を抑えて整備する必要があるため、仮施設の設置が必要となる。また、現在の構内施設の配置を考慮して学生が往来しやすい配置を検討することも必要となってくる。現在の施設配置は敷地中央に集中して立地しているため、歩行者の動線を分断している状況。歩行者は車両や自転車と同じ空間を共有しているため、学生の歩行環境の安全性を確保したい考え。現段階では構想の域を脱しておらず流動的な面が多いが、施設の老朽度具合や利用状況から見ても2棟の統合やそれぞれの既存施設を躯体残しでリノベーションする方向に傾いていきそうだ。
 実験棟は、1972年に建設されたS造平屋建て、延べ床面積925・45u。土木や建築に関する振動関係の実験棟として利用されている。2号館は72年に竣工したRC造3階建て、延べ床面積1803・3u。研究棟として主に教授室に活用されている。図書館は76年に建設のRC造4階建て、延べ床面積2076・89uとなっている。