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建通新聞社(中部)
2012/12/06

【三重】県 産廃不適正処理4事案 大臣同意へ

 三重県環境生活部は、県内で産業廃棄物が不適正処理された「四日市市大矢知・平津」「桑名市源十郎新田」「桑名市五反田」「四日市市内山」の4事案の実施計画(案)について、産業廃棄物特別措置法の財政支援を得られるよう具体的な対策工法を盛り込んだ実施計画の策定を進めている。今後、諸手続きを経て、2012年度内の環境大臣の同意を目指している。県の手続きについては、県環境審議会で、「いずれも妥当である」との答申を9月に得ている。
 各事案の状況と主な対策内容は次の通り。
〈四日市市大矢知・平津〉
 対象地区は、四日市市北部の産業廃棄物最終処分場で、1994年度までに許可品目以外の廃棄物や規定容量以上の量が処分されていたことが判明したため、原因者に対して県が改善命令を出したが、履行期間内の改善が行われず、現在に至っている。対象面積は約9万5000平方b、容量は約262万立方b。隣接区域にも廃棄物の埋め立てが確認されている。
 12年度は、9月に県単での行政代執行として現地測量に着手。また、現在、支障除去対策詳細設計策定、地質調査を進めている。順調に進めば、13年度から対策工事に着手する。対策工は廃棄物の飛散流出の防止および雨水の適切な排除のため、廃棄物の飛散流出防止対策として覆土工や押さえ盛り土工を行う。雨水浸透対策として覆土工など、また、雨水適切排除のため雨水排水工、調整池設置などを行う。
〈桑名市源十郎新田〉
 対象地区は桑名市五反田字源十郎新田地内の員弁川・藤川合流点付近の旧産廃処理場付近の河川敷から廃油のしん出が確認され、地中に有害物質があることが10年に判明した。汚染面積は約1万5000平方b。汚染物などの量は約6万6000立方b。
 鋼矢板の設置・瀬替え工などの緊急対策は実施済で、現状では河川への廃油のしん出は抑止されている。対策工は、汚染拡散防止および汚染除去対策として、遮水壁により汚染区域を囲い込み、汚染の拡散移動を防止し、汚染源を含むPCB高濃度箇所を掘削除去し、PCB汚染物などを保管する。保管廃棄物処分として、保管しているPCB汚染物の処分方法を検討し、適切に処分する。
〈桑名市五反田〉
 対象地区は、桑名市五反田字多々星で、不法投棄により地下水などが汚染されていることが判明し、07年度までに汚染地下水の浄化などを行った。その後、10年度に新たな汚染が判明し、11〜12年度に汚染拡散防止の緊急対策を行った。汚染面積は約2900平方b、投棄などの量は約2万7000立方b。
 対策工は、汚染地下水の揚水浄化対策として、現在、既存井戸を利用して揚水した汚染地下水を水処理施設で処理し浄化を図っている。恒久対策として行う汚染源の廃棄物などの掘削処理は、廃棄物および汚染土壌を撤去し場外処分を行う。
〈四日市市内山〉
 対象地区は、四日市市内山町の産廃最終処分場で、許可品目外、許可容量超え埋め立てが行われ、高濃度の硫化水素などの発生が判明したことから07年にガス回収処理に着手した。投機面積約2万平方b(許可面積約1万平方b)、投機量約34万立方b(許可容量約10万立方b)。
 第1段階の硫化水素ガス対策として行う霧状酸化剤注入法による実施計画は12年度に大臣同意済みで12年度から着手する。第2段階として、雨水の浸透防止と法面の安定性確保のため、整形覆土工などを実施する。

提供:建通新聞社