トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2012/12/07

【静岡】地質調査と造成設計を1月に―オフサイトセンター移転で 静岡県(2012/12/7)

 静岡県は、浜岡原子力防災センター(オフサイトセンター)の富士山静岡空港西側用地への移転に向け、移転候補地の地質調査と造成設計を開始する。業務をそれぞれ2013年1月にも発注し、3月末までにまとめる。今後、並行して関係機関との協議などを進め、新たな施設に盛り込む機能や施設の規模などを固めていく。13年度に建築設計と造成工事、14〜15年度に本体工事を実施する計画。
 オフサイトセンターは、原子力災害時の応急対策拠点となる施設。現在の施設(御前崎市池新田5215ノ1)は、浜岡原子力発電所から2・3`の距離にあり、国の交付金を活用して県が02年度に建設した。移転整備は、福島第一原子力発電所の事故を受け、国がオフサイトセンターの立地要件を「原子力事業所との距離が5`以上30`未満」に変更したことなどに対応するもの。
 県では、▽関係機関が参集しやすい優れた交通アクセス▽大型ヘリコプターが離着陸できるヘリポートの有無▽作業スペースや参集要員の仮眠スペース施設の設置―などの要件を踏まえて建設候補地を検討。その結果、陸・海・空の交通アクセスに優れ、基幹的広域防災拠点として整備されることで自衛隊をはじめとした応援部隊と連携が容易となることなどから、富士山静岡空港の西側隣接地を最適地として選んだ。候補地は県有地で、このうち約8000平方bをオフサイトセンターの敷地に充てる予定。
 12月補正予算案に地質調査費700万円、造成設計費1800万円を計上。地質調査としてボーリング調査を、造成設計の中で敷地測量や道路・敷地・排水施設の基本設計を行う。
 新築する建物については、現在のオフサイトセンターの規模(鉄筋コンクリート造3階建て延べ2486平方b)をベースに検討する考え。現在の施設に入居している国の原子力規制事務所の新たなセンターへの移転の可否や、緊急時防護措置準備区域(UPZ)の拡大に伴う参集要員の増加などを考慮する。
 また、オフサイトセンターの設置要件の中に、放射能の汚染物質から建物内を守る空気浄化フィルターの設置が義務付けられたものの、これまでに設置された例はなく、大規模なフィルター設備の規模や費用、技術面などに不明確な部分があるという。
 そこで県は、関係機関との協議などを進めながら、新たなセンターに盛り込む機能や規模などの概要を固め、13年度に建築設計を委託する方針。15年度中の供用開始を目指す。
 新たなオフサイトセンターの供用後の現在の施設の対応についても、今後検討を進めていく。
(2012/12/7)
建通新聞社 静岡支社