トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/01/09

【静岡】県が独自のガイドライン策定―農業用水利施設活用の小水力発電で

 静岡県は、「農業水利施設を活用した小水力発電に関するガイドライン」(2012年12月版)を策定した。県内の豊富な農業用水などの地域資源を活用した小水力発電の適正な導入を促すとともに無秩序な設置を抑制することが目的。
 静岡県は、「農業水利施設を活用した小水力発電に関するガイドライン」(2012年12月版)を策定した。県内の豊富な農業用水などの地域資源を活用した小水力発電の適正な導入を促すとともに無秩序な設置を抑制することが目的。基本設計から発電施設設置までのスケジュールや、建設・運用主体別の発電施設の建設・管理・運用の役割分担、各種法令に基づく必要な手続きなどを解説している。法的拘束力はないが、今後、さまざまな主体による小水力発電の設置に役立てていく方針だ。
 ガイドラインでは、まず、小水力発電の建設・運営について、「行政建設型」「改良区建設型」「民間建設型」の大きく三つに区分。
 行政建設型のケースでは、資金調達を行政か土地改良区、建設工事を行政、発電事業を土地改良区が行うと規定。改良区建設型は、資金調達を行政か土地改良区が行い、建設と発電事業を改良区が担当。いずれも発電した電力を土地改良施設の電気代などに充てる。民間建設型では資金調達、建設工事、発電事業をすべて民間事業者や団体が担い、発電した電力を売電する。
 また、行政(地方公共団体)が小水力発電施設を建設する場合、例えば県が土地改良事業などで造成(建設)した発電施設は、土地改良区などの発電事業主体に財産譲与し、水利権は建設事業主体が中心となって協議した上で最終的に発電事業主体が取得する。電気事業法や設備認定に関する経済産業省への手続きは、建設主体と電気事業主体が協力して行う。市町が建設する場合は、市町が個別に取り決める。
 発電施設の管理・運営は、土地改良施設の維持管理費の軽減を目的とする事業では土地改良区が行い、その他の場合は地方公共団体と施設管理者、発電関係者が協議して決める。
 土地改良区が建設・運営するケースでは、水利権の取得やさまざまな手続き、施設の管理・運用も土地改良区が行う。その際、管理・運用を民間事業者などに外部委託することも可能。
 民間事業者や団体が建設する場合、小水力発電施設の建設や電力販売契約などに関する手続きを事業者が実施し、施設管理者(土地改良区など)と協議した上で管理・運用の方法を定めることができるとした。
 このほか、水利権の取得や他目的使用の許可など必要となるさまざまな手続きの流れなどを明記している。
 ガイドラインを「県農業水利施設を活用した小水力等利用推進協議会」のホームページ(http://www.sizdoren.jp/shousuiryoku/index.html)に掲載。
(2013/1/9)
建通新聞社 静岡支社