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建通新聞社四国
2013/01/18

【愛媛】松山市 菅沢町処分場で鉛直遮水工を検討

松山市は、菅沢町にある民間の産業廃棄物最終処分場の施設不備により周辺環境への悪影響が懸念される問題について、生じている支障の範囲などを調査している。今後、廃棄物や汚水の外部流出対策に着手する見通し。
 同処分場には25万立方bの廃棄物のほか、埋め立てが禁止されている廃油も見つかっている。これまでの市の調査により、地中にある遮水シートの破損が判明しており、廃棄物対策課は「現時点で有害物質を含む排濁水などは流出していないが、地下水路もあるため周辺環境への悪影響の可能性を排除しておく必要がある」としている。市は事業者に対して対策を命じているが、現実的には改善が見込めそうにない状態。
 市は現在、日本環境衛生センター(西日本支局・福岡県大野城市)で支障除去対策工に向けての詳細調査と実施計画書案の作成を進めており、3月末までに環境省への産廃特例措置法申請を目指している。
 工事規模や対策の範囲は未定だが、シートの破損部を中心に周囲をコンクリートや鉄板で囲い込む「鉛直遮水工」を採用する方針で、地表から深さ20bの透水性岩盤まで設置する予定。また、既設の浄化装置に油を分離する新たな配水設備も設置する必要もあるという。
 市は、環境省の了解が得られれば早急に詳細設計、工事に取り掛かりたい意向だが、対策には数カ年かかる見通しだ。